政治学者 白井聡さんの『武器としての「資本論」』を読了。
本書は、まずカール・マルクスが著した『資本論」に関して
“『資本論』のすごいところは、一方では国際経済、グローバルな資本主義の発展傾向というような最大限にスケールの大きい話に関わっていながら、他方で、きわめて身近な、自分の上司がイヤな態度をとるのか、というような非常にミクロなことにも関わっているところです。”(p003)
という古典ながら、今でも十分通用するという位置づけから
” なぜ毎日窮屈な服を着てぎゅうぎゅう詰めの電車に乗って会社に行かなければならないのでしょうか。『資本論』はこの疑問に答えてくれます。
私たちが生活の中で直面する不条理や苦痛が、どんなメカニズムを通じて必然化されるのかを、『資本論』は鮮やかに示してくれます。”(p004)
或いは
“「ヤバかったら、とりあえず逃げ出そう」となれば、うつ病になったり、自殺してしまったりというリスクから身を遠ざけることができます。
さらには「こんなバカバカしいことをやっていられるか。ひっくり返してやれ」ということにもなってきます。
『資本論』を人々がこの世の中を生きのびるための武器として配りたい ー 本書には、そんな願いが込められているのです。”(p004)
と、今『資本論』を読むべき必然性に説かれています。
但し、先月(2020年8月)開催された本書刊行記念ウェビナーで言及のあった通り、