「筒井康隆 2021」カテゴリーアーカイブ

筒井康隆先生が描いた奔放な性なる世界:『陰悩録 リビドー短篇集』読了

2021年末、筒井康隆先生の『陰悩録   リビドー短篇集』を読了。

本書について巻末の藤田宜永さんによる「解説」から引用すると

” すべての短篇のテーマはセックスである。”(p355)

というもので、収録されている作品は全部で十四篇。

描かれているのは

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筒井康隆先生が描いた九篇の混沌:『東海道戦争』読了

筒井康隆先生の『東海道戦争』を読了。

サイン本入手機会に

たくさん購入出来た筒井康隆先生サイン本、2021年はこれで最後!?

即反応して入手していた一冊。

本書は、

 東海道戦争

 いじめないで

 しゃっくり

 群猫

 チューリップ・チューリップ

 うるさがた

 お紺昇天

 やぶれかぶれのオロ氏

 堕地獄仏法

の九篇を収録した短篇集。

“「東海道戦争?」

「ええ、東京と大阪の戦争だから、そう呼ぶのがいちばん適当でしょう」

「何ですって、じゃあ、さっきから敵だ敵だといっていたのは、東京のことなんですか?」”(p21)

というタイトルに掲げられた「東海道戦争」に、

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筒井康隆先生が描いた特殊能力を持つ家事手伝いが視た八編の家族模様:『家族八景』読了

筒井康隆先生の『家族八景』を読了。

本書刊行後『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』と続く、七瀬三部作の一作目にして、筒井康隆先生最後(三回目)の直木賞候補作品。

本作の主人公 火田七瀬は

” 他人の心を読み取ることのできる能力が自分に備わっている “(p10)

という特殊能力を自覚。

本書も購入のトリガーはサイン本

” 家事手伝いという、家庭から家庭へ転転と移っても不思議に思われない唯一の職業を選ぶことで辛うじて社会から身を遠ざけ一ヵ所に落ちつくことを避けている “(p217)

家事手伝いを生業とし、タイトルの『家族八景』とは本書に収録されている八話の家族模様が描かれたもの。

表の顔とは裏腹な・・

登場する家族は

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筒井康隆先生のミステリーに惹き込まれた:『ロートレック荘事件』読了

筒井康隆先生の『ロートレック荘事件』を読了。

数多ある筒井康隆先生の作品の中で、数少ないミステリー作品とのことで、

「サイン本出ないかなぁ」と思っていたところ・・

概要を知り、狙っていたタイトルのサイン本

望んだ状況が訪れ ^0^/ 入手叶えていた経緯。

思い出の別荘で起きた惨劇の切ない真相

幼少期を過ごした別荘が人手に渡り、新たな持ち主から誘いを受けた夏、

その場に集った思惑秘めた者たちの間で突如起きた連続殺人・・

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筒井康隆先生が試みた次第にことばが失われていく世界:『残像に口紅を』読了

1989年4月出版ながら2021年において再び脚光を浴びているとの

出典:カズレーサーさんTwitter(画像はTweetにリンク)

筒井康隆先生の『残像に口紅を』を読了。

再ブレイクを知らせる本書の帯

話題のもとは・・

本書冒頭で、主人公の作家のもとへ懇意にしている評論家から

” もしひとつの言語が消滅した時、惜しまれるのは言語かイメージか。つまりは言語そのものがこの世界から少しずつ消えていくというテーマの虚構。

・・中略・・

ひとつのことばが失われた時、そのことばがいかに大切なものだったかが始めてわかる。

そして当然のことだが、ことばが失われた時にはそのことばが示していたものも世界から消える。そこではじめて、それが君にとっていかに大切なものだったかということが」”(p18)

との提案を受け、本書の一章進むごとに五十音が一つずつ消えていくという実験的SF小説。

(次第に文字が失われていくとの)コンセプトは聞いたことあったものの

章が進むごとに世界から消されていく五十音・・

最初はともかく中、後半に至って消えた文字数が多い中でも小説が整理しているのは圧巻。

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筒井康隆先生が、まだ駆け出しの頃に綴った三十の短編:『あるいは酒でいっぱいの海』読了

筒井康隆先生のショートショート集『あるいは酒でいっぱいの海』を読了。

2021年8月の再発に合わせ、

ジャストタイミングで入手叶ったサイン本

サイン本が発売されたチャンスを捉え入手していた作品。

「一体全体、筒井康隆先生のタイトルって何冊?」と2021年に入っても新刊に、再発に次から次に・・ との印象ですが、

昭和に出版されたショートショート集に限れば、巻末の日下三蔵さんの「解説」によると、本作を含め『にぎやかな未来』『笑うな』『くたばれPTA』の四作品にとどまるそうな。

購入本に書かれていたサイン

本作に関して、筒井康隆先生ご自身は昭和五十二年十月に書かれた「あとがき半分・解説半分」で

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筒井康隆先生が綴った名作選から伝わってきた映画愛:『活劇映画と家族』読了

筒井康隆先生の『活劇映画と家族』を読了。

発売に合わせ注目していたタイミングで流れ良く購入出来たサイン本

サイン本入手に機会に即反応し入手していた経緯。

本書は、

” 映画の中に描かれる運命共同体としての疑似家族を取りあげ、文章として再録することによって小生、読者と共に懐かしい映画の思い出にどっぷりと浸かりたいのだ。”(p4)

と冒頭の「家族と擬似家族」において刊行意図が説明され、

 家族と擬似家族

 一 「白熱」「血まみれギャングママ」「前科者」

 二 ハワード・ホークス監督「ハタリ」の擬似家族

 三 ジョン・ヒューストンに始まるボギーの一族

 四 西部劇の兄弟

の章立てに基づいて、筒井康隆先生の思い入れの作品について取り上げられています。

滲み伝わる映画愛

「あとがき」に

” 結果として主に筋書きを書くだけになってしまった “(p162)

とある通り、既述の大部分は映画の展開が言語化されたもので、私自身、

ハワード・ホークス監督に、ジョン・ウェイン出演作品は一時どハマりして、紹介作の多くが1950年代前後ながら見ている作品も幾つか含まれているはず、ながらも

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筒井康隆先生が描いたカオスな展開に爪痕残される短篇集:『ウィークエンド・シャッフル』読了

筒井康隆先生の『ウィークエンド・シャッフル』を読了。

(2021年)5月末から6月中旬にかけて購入していた筒井先生本7冊のうちの一冊。

本作には

 佇むひと

 如菩薩団

 「蝶」の硫黄島

 ジャップ島

 旗色不鮮明

 弁天さま

 モダン・シュニッツラー

 その情報は暗号

 生きている脳

 碧い底

 犬の町

 さなぎ

 ウィークエンド・シャッフル

の13作品を収録。

急展開、カオスな・・

八人組みの主婦団が、金持ち宅にアポなしで往訪し、

“「申し上げにくいんですが、実はあの、わたくし共は泥棒でございます!」”(p34)

の一言から劇的に場面が緊迫していく「如菩薩団」に、

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