10月中旬に訪れていた筒井康隆展も、残すとこあと1日というタイミングで開催された
記念対談『筒井康隆を語る』に参加。筒井康隆さんご本人とフランス文学者 松浦寿輝さんが登壇。
往復葉書での応募ということで侮っていたら、150名の定員に対して倍率6倍に達したそうで、
運良く当選することが出来、これまでイベント参加歴はあったものの
筒井康隆さんのお話しを聞くのは初めてであったことから楽しみに迎えた当日。
冒頭、世田谷文学館 菅野昭正館長から5分程度の挨拶があり、お二人が登壇。
筒井康隆さんの『旅のラゴス』を読了。
「(筒井康隆さん作品の中で)何を読もうかなぁ」と考えていたところ、旅x筒井康隆ワールドに興味を持って購入。
電車内など細切れの時間などを利用して読み進めていたことから、当初は描かれている情景を描きづらかったものの
中途からグッと物語に引き込まれてくるのは、さすが。
” 三十年昔に気まぐれから突然旅に出て”(p209)
筒井康隆さんの長編処女作『48億の妄想』を読了。
先日、筒井康隆展を往訪した際に、
会場の世田谷文学館内で流されていたTV番組内で、
本作について1965年出版の作品でありながら、現代の監視カメラ、SNSの隆盛について記述されており、「予言の書」といった紹介をされており、興味を持っていた作品。
先日、読了していた『筒井康隆、自作を語る』では、
” 筒井 (中略)『48億の妄想』を、もう五十年ぶりで読み返したんですけど、傑作なんですよ(笑)。
ー それはみんな分かっています(笑)。
筒井 こんなもの、今は書けないですよ。よく書いたものだと思います。自分をほめてやりたい。”(p24-25)
という自信作で、話しのクライマックスは
筒井康隆さんの『誰にもわかるハイデガー』を読了.-
ポイント2倍デーに「もう一冊何かないかなぁ」と探している最中に「これだ!」となった一冊。
” ご存知のとおり、二十世紀最大の思想家と言われる人です。そのハイデガーが三十七歳のときに、一九二七年ですけれども、書いたのがこの『存在と時間』です。
二十世紀最大の哲学書と言われている難解な本で、これが中央公論社版の「世界の名著シリーズ」のハイデガー篇、これ一冊まるまる『存在と時間』なんですね。
二段に分かれてぎっしりと難しいことが書かれているんです。”(p10)
と、難解なことで定着している古典的名著を
” 本書は、普通の意味での解説を必要とはしない本である。「文学部唯野教授」の講義は、わかりやすく、タイトルにある通り「誰にもわかる」からである。
ハイデガーの主著『存在と時間』をこれ以上わかりやすく解説することは不可能だ。”(p95)
本書で「解説」を担当されている社会学者 大澤真幸さんに言わしめたもの。
本書が刊行された経緯は 👇
” 新調カセット・講演 筒井康隆『誰にもわかるハイデガー』(一九九〇年一〇月刊/一九九〇五月一四日池袋西武スタジオ200において収録)として発売された内容をもとに書籍として再構成された。”(本書にある記載を引用)
筒井康隆さんが、『存在と時間』に触れたのは
” じつは私、一昨年、ちょっと天皇陛下が下血なさったのと時を同じくして下血しまして、・・中略・・
一ヶ月間入院しろということで、これはそこの胃腸科の科長さんの好意なんですけれども、作家だから仕事をするだろうということで、個室をあてがわれました。
ただ個室のある病棟といいますか、その階は当然ながら重症の患者さんがたくさんおられるわけです。
ときどき突然女の人のわっと泣く声が聞こえたりするんです。ご主人が亡くなられたんですね。
つまり日常的に死というものが身近にあるんです。
私自身は自分でべつだん死ぬほどの病気ではないとわかっているんですけれども、やっぱりなんとなく死というものを考えてしまう。
何か死という現象について知りたいと思い始めたんです。で、やっぱりそれは哲学じゃないかと思いました。”(p11-12)
という経緯から。
どのようなことが書かれてあるかというと(抜粋出来る範囲で)・・
先週末に『筒井康隆展』を訪れ、
サイン本ということが決め手で購入してきた
『漂流 本から本へ』を読了.-
本書については、先週読了していた
『筒井康隆、自作を語る』に、
” 自伝ですよね。自伝を年代記風に書いています。僕は自弁というのは今後も書く気はないし、まあ書くとしたらこんな形でしか書けないということですね。”(p163『筒井康隆、自作を語る』)
との記載があり、そういった意味合いも購入を後押ししていましたが、
読み始めて程なく・・
サブタイトルの「本から本へ」に、帯にある「筒井康隆のつくり方」とは、こういうこと(意味)かぁ」と、
第一章 幼少年期 一九三四年〜
第二章 演劇青年時代 一九五〇年〜
第三章 デビュー前夜 一九五七年〜
第四章 作家になる 一九六五年〜
第五章 新たなる飛躍 一九七七年〜
と、五つの年代に分けられ、筒井康隆さんが影響を受けた本について、それぞれ3ページに渡って解説が添えられているもの。
取り上げられている作品は、SF小説に文学作品など、自分がこれまで積極的に手を伸ばしてこなかったジャンルで、
特に文学に距離感を抱いている身としては、
筒井康隆さんが、デビュー作から最後の長編まで、作家活動の軌跡を対談で語った模様が収録された
『筒井康隆、自作を語る』を読了。
先日、タスクを完了させ、ふらっ〜と「何かあるかな」と書店に立ち寄った際👇 サイン本に遭遇。
「これは〜!」となり、即座購入に至っていたもの。
但し、私的に筒井康隆さんと云っても、読了しているのは
2年前(2016)の👆 最後となる見込みの長編『モナドの領域』と、その昔、
『ベトナム観光旅行社』の2冊(である筈)。
(『筒井康隆、自作を語る』)購入後、タイトルとのギャップが気になったものの、本書冒頭に
” 筒井作品をこれから読んでみようという人、筒井作品に取り憑かれてあらかた読み尽くしてしまった人。
日本SF史に興味のある人、すべての人に楽しんでいただける本を目指して作った一冊です。
千変万化の筒井ワールドを探索するガイドブックとして、役立ていただければ幸いです。”(p7)
との編者 日下三蔵さんの一文があり、ホッとしての読み始め ^^
そんな筒井作品初学者の自分的に有効であったのは・・