(2020年)10月企業景況感、コロナ以来初のプラスに
” ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は10日、オーストラリアの10月の企業景況感(business conditions)指数が、前月から1ポイント上昇の1だったと発表した。
2月以降で初めてプラス圏に入った。企業信頼感(business confidence)指数は、9ポイント上昇の5。
新型コロナウイルスの感染第2波から脱しつつあるビクトリア(VIC)州で大きく回復し、2019年半ば以来の高水準となった。
NABは非農業部門の約400社を対象として、10月22日~30日に調査を実施した。
同指数は、ゼロポイントを超えた場合は「楽観」が「悲観」を上回っており、ゼロポイント未満は「悲観」が「楽観」を上回っていることを示す。
景況感指数は現在の景況に対する満足度を示し、信頼感指数は向こう3カ月間の短期景況見通しを示している。
主要指数は、売上高が前月比4ポイント上昇の8となったほか、◆利益:3ポイント上昇の4◆雇用:1ポイント上昇のマイナス5 ◆新規受注:3ポイント上昇のマイナス4 ◆在庫:4ポイント上昇のマイナス1――が上昇した。輸出は横ばいのマイナス4だった。
州別の景況感は、タスマニア州が10ポイント下落したものの13ポイントで最も高かった一方、VIC州がマイナス9ポイントと最も低かった。
一方信頼感は、ゼロを超えないものの、ニューサウスウェールズ州、VIC州、クイーンズランド州、南オーストラリア州で上昇した。
産業別の景況感は、卸売りと運輸、サービスで上昇。卸売りは16ポイント、小売りも12ポイントと好調だった。一方で、資源と製造は下落した。
NABのチーフエコノミストのオスター氏は、国内経済は今年上半期の落ち込みから上向きに転換しており、経済活動が拡大すると共に回復していくと予想している。また、「雇用や民間設備投資の回復は今後の企業信頼感が鍵となる」と述べた。”(出典:NNA ASIA)