ウェスタン・フォース、スーパーラグビーから離脱宣告
” 来年からスーパーラグビーが再編されることに伴い、大会を運営するSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンの合同組織)より、
オーストラリア勢から1チーム削減することを一任されていた同国ラグビー協会(ARU)は8月11日、パースを本拠地とするウェスタン・フォースをカットすることに決定したと発表した。
ARUはフォースを外すことにした理由について、財政的な問題を挙げている。
今回の決定により、同じく除外候補だったメルボルン・レベルズが残留することとなる。
今季最下位に終わったレベルズは、先日、2017シーズンのベストフィフティーンに選出された日本代表NO8アマナキ・レレィ・マフィと再契約を結んだばかり。
混乱は4月に始まり、何週間にもおよぶ協議の末の決定となった。しかし、昨年6月にARUとの提携契約にサインし、
少なくとも、テレビ放送権に関する現在の契約が2020年に終わるまではリーグに残ることが保証されていたフォース側は納得しておらず、最高裁判所に緊急の訴訟を起こすことをほのめかしている。
フォースの母体であるラグビーWA(ウェスタンオーストラリア)は、「ウェスタン・フォースがパースにスーパーラグビーチームのまま残ることを確実にするために、考えられるあらゆる手段を追求し続けます」と声明を出した。
そして、ARUのビル・プルバーCEOは同日、辞任を発表。「私は、ウェスタンオーストラリアのみなさんに対し、たいへんな同情を抱いています。
この決定に影響を受けるすべての人々に、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。私が退いて、リニューアルするのに適当な時だと思います」とコメントした。
同国のラグビーユニオン選手協会は「オーストラリアのラグビーの歴史で最も暗黒の日」と批判し、
ARUのキャメロン・クライン議長は「この決定に、怒りと憤慨があることを認めます。ラグビーにとって、特にウェスタン・フォースのファンにとって悲しい日です」とコメント。
スーパーラグビーからフォースが外されたことで、西オーストラリア州でのファン離れが心配されるが、同議長は「ウェスタンオーストラリアはオーストラリアのラグビーにおいて重要な場所です。
ARUは、西でのユース育成プログラムとコミュニティゲームを支援し続けます」と約束した。
フォースはオーストラリア第4番目のスーパーラグビーチームとして2006年大会から参入。
同国西部をフランチャイズとする唯一のチームとして注目され、1年目は、年間予約席にあたるメンバーシップに2万人以上が加入した。
かつてはナイサン・シャープ、デイヴィッド・ポーコック、マット・ギタウ、ドリュー・ミッチェル、ジェームズ・オコナーといったオーストラリア代表の大物もこのチームでプレーし、2015年には日本代表の山田章仁が加入して話題となった。
しかし、プレーオフ進出は一度もなく下位争いの常連となり、観客数は激減。今年のスーパーラグビーではレベルズとの直接対決にも勝って6勝9敗でオーストラリア・カンファレンス2位(全体の12位)に食い込み、
問題となっていた財政面をサポートするという鉱業の億万長者も現れたが、残念な決定を聞くこととなった。
スーパーラグビーは来年から15チームでおこなわれることになっており、今年参加した18チームのなかから南アフリカのチーターズとキングズも除外されることが決まっている。
新たな国際的トーナメント参加を求めていたこの南ア2チームは、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのプロクラブ・地方代表と一緒のリーグ(プロ14=昨季までのリーグ名称はプロ12)に2017-18シーズンから参戦する。”(出典:RUGBY REPUBLIC)