貿易政策 ①
“オーストラリアは、過去には、国内産業保護の目的から製造業を中心にかなり高い水準の保護を貿易政策として行っていた。
しかし、近年は自主的な自由化の推進こそがオーストラリア経済にとって望ましいとの立場を強め、保護水準の相当な引き下げを実施してきている。
オーストラリアの加重平均関税率は、1980年代後半には10%を超え、米国・EU・日本に比べ著しく高かったが、
2015年中には品目ベースで99%以上の物品の関税は5%以下となり加重平均間税率も2.6%まで低下する低下する予定である。”(出典『オーストラリア概要 2015/2016』p29)
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新車購入予定者の3割、トヨタかマツダを選択
” オーストラリアで今後4年間に新車購入を計画している人のうち、約30%がトヨタかマツダの車の購入を考えていることが、調査会社ロイ・モーガンの調べで分かった。
台数に換算すれば、5万台に上るという。16日付ワーズオートが報じた。
ロイ・モーガンの自動車産業部門を率いるペイクス氏によれば、トヨタかマツダの購入を検討する人の割合は、2015年から0.03ポイント上昇しているという。
また、2社以外では、フォードと現代自動車の購入を考える消費者が増えている。
オーストラリアでは2020年までに全人口の9.9%に当たる220万人が新車購入を考えている。
計画通りに新車購入が増えれば、今年のオーストラリア市場では58万5,000台の新車販売が見込めることになる。
■豪ホンダ、今年は販売4万台で横ばいに
15日付ゴーオートによれば、ホンダ・オーストラリアのコリンズ社長は、今年の販売台数について「わが社は昨年の販売台数と同じ4万台の販売を計画している」と述べ、昨年と横ばいになるとの見通しを明らかにした。
一方、スポーツタイプ多目的車(SUV)「HR-V(日本名:ヴェゼル)」を毎月1,000台販売していると述べた。
また旧型シビックの在庫を一掃し、今後は新型シビックの販売に注力して来年は25%増の5万台の販売を狙うとしている。”(出典:NNA.ASIA)
前回 👇 に続いて、自動車に関するトピックです。
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新車の3分の2、5年内に問題発生
” オーストラリアの新車購入者の3分の2が、購入から5年以内に自動車に問題が発生したことが、消費者団体チョイスの調べで分かった。
保証や保険の対象だったものの、問題が解決しなかったと答えた人は15%にも上った。
また、保証期間中に問題が発生した割合が最も高いメーカーは、GMホールデン(68%)で、フォード(65%)、アウディ(62%)が続いた。14日付シドニー・モーニング・ヘラルドなどが伝えた。
同調査によると、自動車の修理費用を負担しなければならなかった人は、直接的な修理費用や逸失賃金が平均1,295豪ドル(約11万円)、逸失した時間は31時間になった。16%は賠償と引き替えに秘密保持契約に署名させられたという。
問題で最も多かったのは、車体技術(21%)で、バッテリー・電気系統(20%)、内装(20%)が続いた。チョイスは、自動車関連企業が欠陥を隠ぺいしようとしていると批判し、消費者保護の改善を求めている。
また、日系ブランドは保証期間中に問題が発生した割合が比較的低かった。
自動車販売協会(MTA)は「業界は苦情を深刻に扱っており、問題の迅速な解決に取り組んでいる。秘密保持契約を交わすのは、消費者がメーカーなどに行使できるオプションが既にない場合であることが多い」と話した。
一方、ある自動車所有者団体は「修理期間を制限して、その後はバイヤーが返金や交換を請求できるなど、全国的に欠陥車に適用される法令を施行すべき」と主張している。
オーストラリアでは今年、消費者法の精査が予定されており、クイーンズランド州政府は欠陥車関連法を調査している。”(出典:NNA,ASIA)
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新築マンションに4階と14階がないワケ
” 英紙デイリー・メールは、「オーストラリアの新築マンションのエレベーターのボタンから、4と14がこつ然と姿を消した」と伝えた。
記事によると、オーストラリアで建設されるマンションから、4階と14階がなくなっているという。この現象の裏には、オーストラリアの不動産への投資を過熱させる中国人の存在がある。
この2つの数字に含まれる「4」は中国語の「死」と発音が近いため、一部の中国人は縁起の悪い数字だと嫌っている。
つまり、中国人の買い手のためにあえて4階と14階を設けないマンションを建設しているのだ。
記事は、「4階と14階の消失は、中国人のオーストラリア不動産市場の投資が増加していることを証明する例だ」と指摘。
実際、中国最大の海外不動産ウェブサイト・居外網は、2015年に中国の開発業者がオーストラリアの不動産市場に投資した額が50億豪ドル(約4,250億円)に上ると試算しており、中国人が資産を移す先としてオーストラリアの不動産が引き続き注目を集めると見ている。
記事によると、中国国有企業・緑地集団が建設したシドニーの66階建てのビルには「82階」が存在する。これは、4が付く階と40~49階がないためだ。”(出典:livedoor NEWS)
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移住の理想と現実 ⑬
“日本人移住者の多くが、オーストラリアのバランスのとれた生活スタイルや個人主義的労働倫理を享受している一方で、
自営業を営む移住者や日系企業に勤める移住者は、日本並みの多忙な生活を送っている現実が存在する。
さらに、本省の議論の中では、移住者の中にはオーストラリアの職場が「西洋的雰囲気」を消費する場となっている点、
および日本人移住者が言語バリア、ビジネス慣行の相違、人種的差別を経験する点を示し、
理想の人生や自己実現を主な動機として移住した移住者が、移住後の生活で経験する様々な現実的苦悩について述べた。
以上のように本章は、経済的動機井垣の様々な要素によって移住する今日の中間層移住の姿を示し、
彼ら日本人ライフスタイル移住者が移住先のオーストラリアで経験する様々な現実を個人レベルのミクロな視点から論じた。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p193)
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移住の理想と現実 ⑫
” 本章は、様々な理由によって日本社会を逃れた日本人ライフスタイル移住者の移住後の生活について考察し、
定住プロセスや移住後の仕事や余暇について、インタビュー・データをもとに論じた。
本章では第一に、彼ら日本人移住者の居住地選択のプロセスや定住パターンについて論じた。
この点については、移住後しばらくは移住前に抱いていたオーストラリアのライフスタイルのイメージに適合する場を選ぶ傾向を示し、
ライフスタイル価値観と、移住後の居住地選択の関連性について指摘した。
また、その一方で、一定期間後、特に経済力が限定的な若い居住者の間で、仕事や教育に利便性の高い現実的な場所へと移動する傾向が強い点を示し、中間層の移住の理想と現実をめぐるギャップも明らかにした。
第二に、本章は彼ら日本人ライフスタイル移住者の仕事と余暇に関する考察を行い、以下の点を指摘した。
日本社会の中間層に属し、一定の職務経験を有する者が大半を占める日本人移住者は、
移住によって経験する社会階級の下方移動を肯定的に受容し、それによって得られるバランスの取れた生活を享受している傾向が見られる。
無論、経済的・社会的により良い生活を送るための努力は行っているものの、他のアジア系移民やかつての日本人の経済移民の時代と比較すれば、
その温度差は大きく、余暇の傾向として家族との時間や日常に溶け込んだ余暇を楽しむ傾向が見られる。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p192-193)
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移住の理想と現実 ⑪
” 多くの日本人移住者が程度の差はあるものの差別を経験する一方で、彼らの大半は、オーストラリア社会の雰囲気やそこで得られるバランスの取れた生活に肯定的な印象を持っている。
中でも多くのインタビュイーが、差別の経験を語った後に述べたのは、「それがアジア系だからだったかは分からない」、
「オーストラリア社会に限らずどの社会にも外国人への差別はある」、「日本の方が差別はひどい」などの言葉であった。
これらは、日本人移住者がミクロな差別を日常的経験として経験しつつも、オーストラリアで生きていくために、
その差別に対応するためのポジティブな言説を自分の中で構築するプロセスと捉えることができよう。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p192)
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移住の理想と現実 ⑩
” 四十歳代の女性は、これらの公共の場におけるアジア人差別が九○年代中頃に急速に表面化した点を次のように指摘する。
ボーリン・ハンソンが出てきた頃に、差別がひどかったです。全然知らない人にいきなり「Go Home!」って言われたり。失礼ですよね。
あの人が出てきたのは九六年だったんですよね。あの人が出てきて、そういう態度が表面化した気がします。
ずっと心の中に思っている人はボーリン・ハンソンが出てくるまでは態度に出す人は少なかったと思うんです。
一九九〇年代は、オーストラリアの「アジア化」が進行した時代であった(Ang and Stratton 1996)。
第一章で述べたとおり、多文化主義をオーストラリアの労働市場の穴を埋める戦略として位置付けたオーストラリアにとって、
一九九〇年代はアジア系住民の急増を経験することとなり、それを危惧した保守系の政党の代表格がクイーンズランド州を地元とするボーリン・ハンソン率いるワン・ネーション党であった。
彼女は、アジア系移民の流入が白人系住民の仕事を奪うとの議論を行ったものの、実際の支持は限定的なものであった。
しかし、彼女がメディアで繰り返し述べる反アジア系移民の論調は、地元住民の態度を表面化させる契機となり、
結果的に多くのアジア系移民が差別的言動を経験することとなった。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p191-192)
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「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる