2020年第2四半期 消費者物価指数、過去最大の落ち込み
” オーストラリア連邦統計局が発表した第2・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比で1.9%低下と、過去最大の落ち込みとなった。
新型コロナウイルス危機を受けた保育無償化とガソリン急落が主な要因。
低インフレ脱却に向けたここ数年の進展が頓挫した格好となった。
前年比は0.3%低下と、1998年以来のマイナスとなった。市場予想は前期比が2.0%低下、前年比が0.4%低下だった。
オーストラリア準備銀行(中銀)はインフレ目標を2─3%に設定しており、第1・四半期に数年ぶりにCPIの伸び率が目標レンジ内に収まったばかりだった。
豪経済は1990年代序盤以来初めてのリセッション(景気後退)入りが確実視されており、物価の見通しに影を落としている。
BISオックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、サラ・ハンター氏は「労働市場の困難な状況が賃金の伸びを抑え、これが総じて弱い経済環境と相まって消費者物価の上昇を阻害することになるだろう」と分析した。
ただ、CPIが下落に転じたからといって、持続的な物価下落を意味するデフレに陥ったことにはならない。
むしろ、豪政府による保育無償化など一時的な要因による一過性の現象だとみられる。
政府が4月初旬から6月下旬の期間に導入した保育所の利用を無料にする措置によって、CPI上昇率は1.1%ポイント押し下げられた。
同措置の終了を受けて、保育料は今四半期に大幅に上昇するとみられる。
また、第2・四半期は原油安を受けてガソリン価格が急落した。しかし既に価格は持ち直している。さらに、国内の3つの州がプレスクールを無償化したため、教育費が押し下げられた。
統計局によると、これら3つの要因を除外するとCPIは0.1%上昇したという。
それでもなお、変動が大きい要素を除いた基調インフレ率も低調な結果となった。
基調インフレを示す中銀トリム平均値は前期比0.1%低下と、史上初の下落。前年比では1.2%上昇したが、前期の1.8%から伸びが大幅に鈍化した。”(出典:REUTRS via Yahoo! JAPAN)
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森林火災、野生動物30億匹が被害(WWF発表)
” 世界自然保護基金(WWF)オーストラリア支部は28日、豪州で今年2月ごろまで約半年間続いた大規模森林火災によって死んだり、すみかを追われたりして被害を受けたコアラやカンガルーなどの野生動物が、約30億匹に上るとの暫定調査結果を発表した。
同支部は「現代の歴史で野生動物の災難として最悪規模」と指摘した。 調査には国内の大学の研究者らが協力し、日本の面積の約3分の1に相当する1146万ヘクタールを火災で影響を受けた範囲として調査した。
被害の内訳は哺乳類が1億4300万匹、爬虫(はちゅう)類が24億6000万匹、鳥類が1億8000万羽、カエルが5100万匹。
1月時点では火災の影響を受けた野生動物は12億5000万匹との推計を示していた。
死んだ動物だけの数は不明だが、調査に協力したシドニー大学のクリス・ディックマン教授は、火災による食べ物不足などを理由に、生き延びた動物は「それほど多くはない」と分析している。”(出典:JIJI.COM via Yahoo! JAPAN)
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格付け、財政大赤字でもトリプルA維持
” オーストラリアのフライデンバーグ財務相による23日の連邦財政報告を受け、米大手格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pグローバルが、連邦政府の格付け見通しをトリプルAで維持したことが分かった。
記録的な赤字が発表されたにも関わらず格下げされなかった背景には、2020/21年度(6月期)以降に景気後退からの復興が見込まれていることがあるようだ。
また財界は、負債を増やしながらも景気刺激策を推し進める政府の方針を支持している。地元各紙が伝えた。
同財務相の発表では、19/20年度の赤字が858億豪ドル(約6兆4,710億円)、20/21年度は1,845億豪ドルに達すると予測されている。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、格付け見通しをトリプルAの「安定的」としており、S&PはトリプルAの「ネガティブ」としている。
S&Pは「財政バランスは、20/21年度の大幅赤字を通り過ぎれば、向こう数年間で改善すると予想される。また、連邦政府は今後も財政規律を保つとみられる」と評価した。
■「景気刺激策続けるほかない」
建材メーカー大手ブリックワークスのパートリッジ社長は「失業率を最低限に抑えることは、連邦政府の最も重要な仕事だ」とし、政府は負債を増やし景気刺激策を続けるほか選択肢はないと述べた。
小売り大手ウールワースのバンダッチ最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルスの流行による経済危機の中、政府は市民と経済を支援するため必要なことを行っている」とした。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のマクイーワンCEOは「政府の経済政策は理にかなっている」と評価した。”(出典:NNA ASIA)
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国民の半数、コロナ発生後に支出削減
” オーストラリアのメルボルン大学付属研究所のメルボルン・インスティチュートが実施した調査で、オーストラリア人の45%が、新型コロナウイルスの感染流行が始まる前と比べて支出を抑制していることが分かった。
生活必需品の購入すら困難と答えた人の割合は全国的に低下したが、ロックダウン(都市封鎖)が再開されたビクトリア(VIC)州では増加しているという。23日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。
メルボルン・インスティチュートは7月10日までの1週間に、1,200人を対象に調査を実施。
経済的ストレスを抱えていると答えた人の割合は全国で22%となり、前週の25%から減少した。
ただ、2度目のロックダウンが開始されて2日が経過していたVIC州のみ、この割合は2%上昇した。
メルボルン・インスティチュートのリム教授は、「VIC州以外で世帯の経済的ストレスが緩和され、クレジットカードの使用も増えているが、回答者の45%が新型コロナ流行前に比べて支出を減らしているというのは深刻な問題」と指摘。
感染流行が始まった3月の時点で、すでに消費者支出が落ち込んでいたことに触れ、「さらなる支出削減は経済回復において大きな打撃となる」と懸念を示した。
調査では、今年末の時点で、自身の支出が新型コロナ流行前と同水準になるだろうと答えた人が39%となり、支出が減少するとの回答は33%となった。
感染流行前に比べてすでに支出を減らしていると答えた人の55%が、年末になっても支出は増えないだろうとしている。”(出典:NNA ASIA)
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カンタス、ボーイング747最終飛行
” カンタス航空は、ボーイング747型機の運航を終了する。最後となるQF7474便は22日午後2時、米国ロサンゼルスに向けてシドニーを出発する。
1971年8月、カンタス航空はボーイング747型機を初めて迎え入れた。ジャンボ機の導入によって、多くの人にとって海外旅行が金銭的に可能になった。
また、大きさや信頼性が評価され、1974年のサイクロン「トレーシー」や2004年のボクシングデーの津波など、災害時にも同機は活躍した。
アラン・ジョイスCEOは、「747型機は低運賃と長距離飛行を可能にし、新たな時代を築いた」と述べた。
最終便は、同社初の女性機長であるシャレル・クイン機長が務める。「747型機を36年操縦して大変名誉に思う」とクイン機長は話した。”(出典:JAMS.TV)
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連邦財政、第二次世界大戦以来最大の赤字
” 7月22日、ジョッシュ・フライデンバーグ連邦財相がコロナウイルス影響下の国家財政状況を発表、第二次世界大戦後最大の860億ドルの赤字になったとしている。ABC放送(電子版)が伝えた。
昨年度まで、2020年度国家財政は50億ドルの黒字に回復すると見込まれていた。
しかし、今回、コロナウイルスによる経済活動沈滞で税収が大きく減じること、
また、事業所や国民個人への援助、福祉金、経済刺激策の支出が大きく増えたことが原因で1,000億ドル近い赤字になった。
このまま2021年度には財政赤字が1,840億ドルに達すると予想されている。
また、コロナウイルス蔓延に伴い、新予算実施も2020年10月まで延期しているが、22日の発表でコロナウイルスによる経済破壊の規模が明らかにされている。
また失業者も財務省では2020年末には9%にまで上昇すると予想している。
財政支出では、休業しながら雇用を確保する事業所に対して労働者1人につき2週間に$1,500を支給するJobKeeper制度の総額が860億ドルに達しており、そのまま赤字に相当する額になっている。
また、政府の推定では6月末までの国家財政ネット・デットは4,880億ドルで、今2021年度にはその額も6,770億ドルに達し、GDPの36%近くに達する見込み。
またグロス・デットは現在定められている負債限度額の8,500億ドルを上回る見込みで、フライデンバーグ財相は、「現在、オーストラリアは困難かつ未曾有の状況に直面しており、新しいアプローチを選ばざるを得ない時期にある。
そのため、予算実施時に負債限度額の見直しをすることもあり得る」と語っている。
コロナウイルス制圧後も国家財政の黒字回復までには何十年もかかると予想されるが、フライデンバーグ財相は具体的な期間を挙げることはしなかった。”(出典:NICHIGO PRESS)
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新型コロナウイルス危機で29年ぶり景気後退(2020年4〜6月期 実質GDP推計値)
” オーストラリア政府は23日、新型コロナウイルス危機の影響によって4~6月期の実質GDP(国内総生産)が前期比7%減少したとの推計値を発表した。
四半期ベースでは過去最大の落ち込み。1~3月期は0.3%減で、同国で約29年ぶりのリセッション(景気後退)入りが確認された。 ”(出典:JIJI.COM via Yahoo! JAPAN)
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グラディス・ベレジクリアン ニューサウスウェールズ州首相 ビジネス界に警告
” 7月21日から22日までの24時間でNSW州では新たに16人が陽性と判定されており、グラディス・ベレジクリアンNSW州首相がシドニーのビジネス界にコロナウイルス社会規制違反があれば厳しく取り締まると警告した。ABC放送(電子版)が伝えた。
ベレジクリアン州首相は、「NSW州にとって、今後2,3週間が決定的な時期になると思う。
ビジネスに違反行為があれば容赦しない」と語っており、客収容店のCOVID-Safe登録義務化やグループ予約の人数上限引き下げなどの規制が7月24日午前零時過ぎから強化されることになっている。
その他、客入場数をデジタル記録することも義務づけられ、客の衛生管理も店の義務になる。
さらに、「ビジネスがコロナウイルス対策をする時間は十分にあったはずだ」として、「決して少しでもずさんになったり、見ないふりをしたりすることなく、このウイルスに対して免疫があるふりをしてはならない。
24日以後、規則を守れなければ罰金を科せられ、悪くすれば閉鎖を命じられることになる」と語っている。
また、ベレジクリアン州首相は、アナスタシア・パラシェイQLD州首相から書簡を受け取ったと発表し、「QLD州政府は、NSW州との州境の検問で交通が渋滞しており、それを緩和するためチェックポイントを移動したいとしている。
しかし、NSW州政府はパラシェイ提案に反対であり、チェックポイントを現在の位置から移動することを望まない」と述べた。
NSW保健局は、「21日午後8時までの24時間に16人があらたに陽性と判定された。
そのうち、3人はカシュラのクロスローズ・ホテル・クラスターとの関連、11人はウェザリル・パークのタイ・ロック・レストラン・クラスター関連。
また、ニュー・イングランド出身の1人も濃厚接触であることが突き止められた」と発表している。
これにより、クロス・ローズ・ホテル・クラスターは53人、タイ・ロック・クラスターは37人になった。
同州のケリー・チャント主席医務官は、「クロスローズ・ホテル・クラスターの感染源は突き止められたが、タイ・ロックの感染源は突き止められない可能性がある」と発表している。”(出典:NICHIGO PRESS)
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「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる