「グリーン水素」事業、環境懸念で連邦政府が認可せず
” オーストラリアで進む大規模な水素製造事業について、豪連邦政府が環境への懸念から事業を進めるための認可を出さなかったことが21日わかった。
計画は2020年に政府が国家的に重要な意義を持つ「主要プロジェクト」として認定していた。
政府の認可を得られなかったのは、「アジアン・リニューアブル・エナジー・ハブ(AREH)」。
豪マッコーリー・グループ系投資会社など4社が参加し、総事業費は360億米ドル(約3兆9,000億円)を見込む。
豪西部ピルバラ地区に風力や太陽光の発電機を設け、再生可能エネルギーによる電力で水を電気分解して年175万トンの水素をつくる計画だった。着工は26年を予定している。
燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生しない水素は脱炭素の切り札の一つとされる。
なかでも再生可能エネによる電力で生み出す「グリーン水素」は、世界的に注目が高まっている。
豪州も30年をめどに「水素大国」になることを目指している。
19年には「国家水素戦略」を発表するなど水素関連事業を支援しており、アジアへの水素輸出を目指すAREHの主要プロジェクト認定もその一環だった。
認可を出さなかった理由として「提案は環境に対して、受け入れがたいインパクトを与えるとの結論に至った」(リー環境相の広報担当者)と説明している。
具体的には、湿地帯の生態系や渡り鳥への影響を挙げている。今後については「事業を修正するかどうかは、提案者側の問題だ」(同)と述べるにとどめた。
企業連合側は「先週終わりに環境相から通知を受けた」と明かした。その上で「懸念を理解しようと努めている。
事業のデザインや技術面の詳細をつめる際、環境相や関連省庁とより密接にやりとりを行う」と述べ、計画修正を示唆した。”(出典:日本経済新聞)
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2021年のM&A、経済復興で過去最高見込み
” オーストラリアでは今年、企業のM&A(合併・買収)が過去最高水準となる見込みだ。
新型コロナウイルスの感染流行からの経済のV字回復を背景に、プライベートエクイティー(PE)各社の活動は活発化しており、この勢いは来年も続くとの見方が多いようだ。オーストラリアンが伝えた。
米金融情報会社リフィニティブの調べによると、6月11日時点で実施、または発表されている、国内企業が関連するM&A取引総額は937億米ドル(約10兆3,290億円)と、年初来では過去最高となっている。
新型コロナ渦中の昨年同期は205億米ドル、世界金融危機前のピークである2007年同期は821億米ドルだった。
市場では、現在の取引水準が続けば、今年は07年に記録した1,966億米ドルを上回るとの向きが多い。
今年年初来では、カジノ大手クラウン・リゾーツや建材最大手ボラル、通信会社ボーカス(Vocus)・コミュニケーションズなどへの買収案が取引額で上位を占めた。
金融クレディ・スイスのリステブスキー氏は、通常年後半は前半を上回るとし、PEや投資各社の活動は増え、資産売却を検討する上場企業も増えていると指摘。
金融シティのカーテル氏は、企業は新型コロナ不安から脱却しより野心的な戦略を掲げているとし、今年のM&Aは記録的となるがさらに来年も記録を更新するとの見方を示している。”(出典:NNA ASIA)
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コアラ「絶滅危惧種」分類も=専門委、2021年10月末に結論
” オーストラリアのリー環境相は18日、近年の大規模森林火災で大きな被害を受けた同国東部のコアラについて、絶滅の可能性を示す分類を「絶滅危惧種」に引き上げるかどうか検討を始めると発表した。
一般市民の意見を募った上で、専門委員会が10月末までに最終的な助言を行う。
豪政府は現在、東部のニューサウスウェールズ、クイーンズランド両州と首都キャンベラのコアラを、絶滅の危険が増している「危急種」に分類している。
これが1段階上の「絶滅危惧種」に引き上げられると、「保護法令の適用で環境相と州の権限が強化される」(世界自然保護基金=WWF=豪州支部)という。政府はコアラ生息数の回復計画も策定する。
地元メディアによると、2019年から20年にかけて起きた森林火災などで、ニューサウスウェールズ州のコアラの約3割が死んだ。
森林伐採による生息地の減少の影響などもあり、同州では50年までに州内で野生のコアラがいなくなる恐れがあると警告している。”(出典:時事通信社 via livedoor NEWS)
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最低賃金、(2021年)7月から2.5%引き上げ。コロナ禍からの景気回復反映
” 豪公正労働委員会(FWC)は、来年度(7月からの1年間)の最低賃金を2.5%引き上げると発表した。
今年度の引き上げ幅(1.75%)を上回る。新型コロナウイルスの影響から景気が力強く回復していることを反映した。
これにより、最低賃金は時給20.33豪ドル(15.65米ドル)となり、フルタイム就業者の週給は772.60豪ドルとなる。
FWCのイアン・ロス委員長は16日、新型コロナ関連規制の影響で約30年ぶりのリセッション(景気後退)に陥っていた経済が回復する中、新たな最低賃金が実現したと指摘。
電子メールの声明で、「FWCに提出された資料では、現在の経済状況が予想を上回り、景気回復が順調に進んでいるという幅広い総意が示された」と述べた。 FWCが設定した最低賃金は国内で法的強制力を持つ。
ただ、新型コロナの影響を依然として受けるセクターでは賃上げの時期を遅らせる方針。
FWCによると、小売りセクターは9月1日から、航空、フィットネス、観光、一部の小売り・イベント業界は11月1日からの適用となる。
3%以上の賃上げを求めていた労働組合は、これを批判している。
オーストラリア労働組合評議会のサリー・マクマナス氏は「委員会が賃上げを延期したことは非常に残念だ。特に新型コロナ禍に働き続け、雇用主が記録的な利益を上げている労働者にとっては残念なことだ」と述べた。”(出典:REUTERS via Yahoo! JAPAN)
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モリソン首相、菅首相コーンウォールで会談。経済的威圧に反対、脱炭素で協力文書
” 菅義偉首相とオーストラリアのモリソン首相は13日朝(日本時間同日午後)、訪問中の英国で会談した。
中国を念頭に「経済的威圧や力による一方的な現状変更の試みの継続・強化」への反対で一致した。
日豪は気候変動を巡る協力に関する文書「技術を通じた脱炭素化に関する日豪パートナーシップ」で合意した。
両首脳は主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、朝食を挟みながら1時間ほど協議した。
最後の20分ほどは両首脳だけで話し合った。文書は日豪の脱炭素に向けた技術研究開発の連携をうたった。
「自由で開かれたインド太平洋」の実現へ日豪の協力を深化させることを申し合わせた。日豪両国に米国、インドを加えた4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」を具体的に推進する方針も決めた。
日豪は9日、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をテレビ会議形式で開いた。
自衛隊が平時から他国軍の艦艇などを守る「武器等防護」の対象に豪軍を加えることになった。
モリソン氏は東京五輪・パラリンピックの開催を支持した。
豪州は新型コロナウイルスの発生源を巡り独立した調査を求めたのを発端に中国との関係が悪化した。中国は豪産食肉の輸入を一部停止し、大麦やワインに高関税を課した。
両首脳の対面会談は2020年11月以来だった。豪州はG7のメンバーではないが、招待国としてサミットに参加している。”(出典:日本経済新聞)
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住宅価格上昇率、OECD4位
” オーストラリアとニュージーランド(NZ)の実質住宅価格は、2000~2020年の上昇率が、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で上位4位内に入っていることが分かった。
OECDの最新の報告書によれば、NZは1位で199%上昇となり、オーストラリアは119%で4位だった。
オーストラリアの場合、高い上昇率の背景には、開発を抑制する政策による供給不足があるようだ。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
OECDの経済部門で政策分野を統括するデ・メロ氏は、低い政策金利が高水準の住宅価格上昇率に影響しているとした。
低金利で住宅ローンの利用が容易になり、住宅購入者が増えることで需要が高まり、結果的に住宅価格が上がる仕組みだ。同期間のOECD平均は45%上昇で、日本は15.9%下落となっている。
また、オーストラリアの住宅価格上昇率は、住宅政策の問題のほかに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前に見られた移民拡大による人口増加も反映しているという。”(出典:NNA ASIA)
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イギリスとFTA締結、EU離脱後の新たな通商関係構築で前進
” 英国とオーストラリアが新たな自由貿易協定(FTA)を締結した。欧州連合(EU)を離脱した英国は、世界各地の諸国と通商関係を広げていきたい考えだ。
英首相官邸が発表した声明によれば、英豪FTAの大筋はジョンソン英首相とモリソン豪首相が14日夜に夕食を交えて協議した際にまとまった。最終的な原則合意は数日内に公表する。
ジョンソン首相は「英国とオーストラリアの関係は新たな夜明けを迎えた」と述べ、「この新FTAは英国の企業や消費者に素晴らしい機会をもたらす」と期待を寄せた。
英豪FTAの発効は、英国の国内総生産(GDP)を15年間で0.02%押し上げる効果が期待される。
EUとして結んだ既存の協定の移し替えを除けば、英国がEU離脱後に主要同盟国と締結する最初の通商協定となる。
豪州は英国の20番目の貿易相手国であり、2020年の貿易全体の1.2%を占める。
英豪間ではFTAの下でスコッチウイスキーや衣類、自動車、農産品といった貿易品目の関税が削減される。
英国は離脱後に英領北アイルランドとの物流規制を先送りした問題でEUと緊張が高まっており、そのタイミングでの豪州とのFTA合意は朗報となる。
モリソン首相は14日、ロンドンでの講演で「英豪間の通商関係を強化することは素晴らしい機会だ」と述べた。
英国は離脱後のEUとの間にとどまらず、広範なFTAの締結を目指しており、今回の合意は英国の環太平洋連携協定(TPP)参加の布石とも受け止められる。”(出典:Bloomberg)
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高齢化と労働者減傾向、政府は移民拡大か
” オーストラリアは、国民の平均年齢が上昇し税収入は若者世代に依存する傾向にあるため、政府のヘルスケア関連支出の増加が加速化しているもようだ。
今月末に世代間報告書(IGR)を公表する政府は、この中で新型コロナウイルスの流行収束後の移民受け入れ拡大を提唱するとみられる。14日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
財務省が5年ごとにまとめるIGRは、昨年の新型コロナで今年に延期された。
2002年の創刊から同報告書を担当しているコステロ元財務相は、「約1兆豪ドル(約84兆5,072億円)規模となっている負債により、政府財政は悪化している。
新型コロナ前から負債は拡大傾向にあり、もっと早く打つべきだった手を打ってこなかった」と述べた。
新型コロナ関連の拠出以外に、高齢化と労働者の減少を背景に、保健医療やチャイルドケア、国民身体障害者保険制度(NDIS)、軍事予算などが膨張しているようだ。
会計大手デロイト傘下のシンクタンク、デロイト・アクセス・エコノミクス(DAE)のリチャードソン氏は、「新型コロナで、オーストラリアはより高齢化した。
国境閉鎖で若い移民労働者が増えず、今後増加するとはいえ、以前の移民流入水準には戻らないかもしれない」としている。”(出典:NNA ASIA)
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「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる