アジアにおける外交の影響力低下
” 民間外交シンクタンクのローウィー・インスティチュートの最新の調べによると、オーストラリアは、外交面でアジアの中で影響力が低下している。
一方、ニュージーランド(NZ)はアーダン首相の外交活動が評価され上昇した。29日付の地元各紙が伝えた。
ローウィー・インスティチュートが作成した2019年版「アジア・パワー・インデックス」は、25カ国・地域のアジアでの影響力を軍事力や経済力、文化的影響力、外交、政治力など8基準を基に126項目について評価した。
オーストラリアの「外交影響力」は、昨年より1位下落して8位となり、「外交政策」の項目では4位下落して8位となった。
一方、NZの「外交影響力」は11位と、1位上昇した。オーストラリアは「経済関係」と「防衛ネットワーク」でそれぞれ1位上昇の8位、横ばいの2位と高評価を得、外交影響力の下落を相殺する格好となった。
「経済関係」の上昇には、環太平洋連携協定(TPP11、CPTPP)のオーストラリアの批准が背景にある。
ローウィーのアジア影響力外交プログラムの関係者は、「オーストラリアは、自国の世界影響力を過小評価している。
だが、米中の強大な影響力の中、(オーストラリアのような)中堅の影響力がパワー・バランスを保つ上での重要性を増している」と語った。
日本は「アジアの自由な秩序のリーダーである、賢明な影響力」と評価された。”(出典:NNA ASIA)
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トニー・アボット元首相、総選挙で落選
” 5月19日、政界引退を求める選挙民の声をよそに、政界引退を肯んぜず、シドニー湾北岸ワリンガー選挙区から連邦下院自由党公認候補で出馬したトニー・アボット元連邦首相は、元オリンピック選手で現法廷弁護士のザリ・ステガル無所属候補に敗北を喫した。
選挙民の声を無視し、自己中心的な動機で政界引退を拒否し、自由党議席を減らしたアボット氏に対して自由党内部から批判が高まっている。シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
ステガル新議員ももともとは自由党支持者だったが、同選挙区の経済保守・社会進歩派自由党支持者の一人として、社会保守から社会超保守へと変化を強めているアボット氏を落選させる運動の中で無所属出馬を決めた。
アボット氏は26年間同選挙区を代表してきたが、2019年連邦総選挙では自由党安全地盤の同選挙区で2016年比で12.7%も得票率を落として敗北した。
NSW州でも保守連合が圧倒的な強さを見せていたが、ステガル候補は無所属ながら58%対42%の支持率で圧勝した。
NSW州内で保守連合の2政党が地盤を失ったのは、このワリンガー選挙区と、NSW州南部海岸地帯でスコット・モリソン自由党がウォレン・マンディーン元労働党議長を天下りさせたギルモア選挙区だけとなる。
アボット氏の敗北は、同氏の党内仇敵だったマルコム・タンブル氏の政界引退と合わせて、党内の不安定要素を減らしたことになり、同党中道派議員にとっては歓迎すべきことでもある。”(出典:NNA ASIA)
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オーストラリアの著名人 ㉓ 〜 故ボブ・ホーク元首相
” 連邦選挙を目前にしてオーストラリアの公人として大きな位置を占めていたボブ・ホーク元連邦首相の死去が伝えられた。89歳。シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
ホーク氏はオーストラリア労働組合評議会(ACTU)の議長を務め、その後は1983年から1991年まで労働党連邦政権を率いた。
先日、「労働党のビル・ショーテン党首は、小さな目標で済ませる政治家とは違って大きな政策を掲げる政治家。また、国民の合意を目指す政治家。この選挙では労働党が勝利する」と語ったばかりだった。
5月16日、妻のブランシェ・ダルプジェ氏が、「今日、偉大なオーストラリア人だったボブ・ホークがシドニーの自宅で家族に看取られながら亡くなった」と発表した。
1991年、ホーク首相の下で財相を務めたが1991年にリーダーシップを争い、ホーク氏を下して1996年まで首相を務めたポール・キーティング氏は最近までホーク氏とは仇敵のような関係にあったが、ショーテン労働党支持に向けて和解が伝えられていた。
また、アジア地域が世界経済に重要な位置を占めるようになることを予測し、オーストラリア経済の改革を通してアジア地域にある西洋国家オーストラリアへとシフトさせたのもホーク氏だった。
飲酒癖や女性問題でも知られており、現在の政界では許されないだろうとも評されている。
葬儀は家族だけでしめやかに行われるとダルプジェ氏が発表している。”(出典:NICHIGO PRESS)
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保守連合、総選挙を制し政権維持
” オーストラリアで18日、総選挙の投票が行われ、即日開票の結果、モリソン首相(51)が率いる与党連合(自由党、国民党)が野党・労働党との接戦を制し、政権を維持する見通しとなった。
好調な経済など手堅い政権運営の実績をアピールし、有権者の支持をつなぎとめた。
選挙管理委員会によると、19日未明の時点で、下院(定数151)は開票率95%で、与党連合が72議席、労働党が67議席、無所属などが7議席を獲得する見通しだ。
与党連合は既に無所属議員らの協力を取り付けており、政権維持が可能となる過半数の76議席を確保できるメドがついた。
昨年8月に就任したばかりのモリソン氏は続投する見込みだ。世論調査の劣勢を挽回し、総選挙を勝利に導いたことで、党内の求心力を高め、引き続き安定した政権運営を行う構えだ。
モリソン氏は18日夜、最大都市シドニーでの集会で、「今夜、奇跡を体験した」と述べ、勝利を宣言した。
与党連合は、電気料金の引き下げや移民に対する永住権枠の縮小などを公約に掲げ、国家主導の大型政策を掲げる労働党を「増税政党」と批判してきた。
ただ、与党内では2013年以降、首相の交代が相次ぎ、有権者の間で政治不信が広がっており、事前の世論調査の支持率は、労働党が与党連合を僅差で上回り、約6年ぶりの政権交代の可能性も指摘されていた。
労働党は、与党政権に不満を募らせる有権者の支持獲得に努めてきた。
しかし、米中貿易摩擦などの影響が懸念される中、経済で実績のあるモリソン政権に期待する有権者が終盤で増えたとみられる。
労働党のビル・ショーテン党首(52)は18日夜、「次期政権を担うのは不可能だ」と述べ、敗北を認めた。”(出典:読売新聞オンライン via livedoor NEWS)
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5月18日の総選挙へ向け、党首評価が対立
” ABC放送(電子版)のオンライン選挙世論調査「Vote Compass」は、5月18日の選挙結果を予想する有権者の政治意識調査を続けているが、
4月29日の調査結果は、保守連合、労働党、緑の党、ポーリン・ハンソン・ワン・ネーション党4党の支持者の党首評価を掲載している。
その結果は、各党支持者とも支持政党への忠誠心が強く、他の政党を排除する「部族主義」傾向が強まっている。
この調査結果は「Vote Compass」に回答した30万人の記入結果を集計分析したもので、
自由党のスコット・モリソン、労働党のビル・ショーテン、緑の党のリチャード・ディ・ナタリ、ワン・ネーション党のポーリン・ハンソン各党首の能力と信頼性を10段階評価するというもので、平均していずれの党首も及第点には届かなかった。
政党支持者は何があっても支持政党を変えないものであり、選挙戦運営の最大の課題は浮動票を獲得することにある。
ところが、今回の調査ではその浮動票回答者のモリソン、ショーテン両党首の評価が能力でも信頼性でもほぼ完全に同率になっている。
ABC放送の選挙分析家、アントニー・グリーン氏は、「浮動層にとってはどちらの党首もずば抜けた評価ができないということだろう」と分析している。
カーソン博士は、「選挙戦の最終盤で浮動層をどれだけ取り込めるかに勝敗がかかっている」と分析している。
また、世論調査会社の結果とは少し異なっているのは、質問の仕方が違うから」だとしている。
いずれの党支持者も支持政党の党首の能力と信頼性を高く評価し、他の党派の党首についてはそれほど高く評価しないが、
革新政党の労働・緑の間では互いに評価が高く、保守政党の自由・ワン・ネーションの間でも互いに評価が高い傾向がある。
また、全体ではショーテン、ディ・ナタリ、モリソン、ハンソンの順に得点が低くなっていく。
カーソン博士は、「高額所得者ほどショーテンよりモリソンを高く評価する傾向があるが、
これはモリソンの政策が高額所得者の利害関係に沿った政策だということを示している」と語っている。”(出典:NICHIGO PRESS)
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ジュリアン・アサンジ逮捕で在英エクアドル大使館から排除
” エクアドル政府に難民を認められ、ロンドンのエクアドル大使館に滞在していたウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏が大使館内でロンドン首都警察(MPS)に逮捕され、大使館から排除された。ABC放送(電子版)が伝えた。
直前にエクアドル政府が難民認可と保護令を撤回しており、大使館が警察官を導入している。エクアドルは2017年にレーニン・モレノ氏が大統領に就任して以来親英路線を取っており、アサンジ氏が大使館から排除されるのも時間の問題と見られていた。
アサンジ氏はクィーンズランド州出身のオーストラリア人で、スエーデン当局から強姦容疑で証人出頭を求められていたが、イギリスに逃れ、イギリスはスエーデンとの引き渡し条約に基づいて同氏を逮捕した後、保釈を認めていた。
その保釈中にエクアドル大使館に難民として保護を求めていたもので、保釈中の警察出頭を怠ったことから官憲当局から「保釈条件違反」で逮捕状が出ていた。
その後、スエーデンの逮捕状は取り消されたが、イギリス国内の保釈条件違反は有効なままになっている。
しかし、アサンジ氏は、「イギリス官憲に逮捕されれば引き渡し条約に基づいてアメリカに引き渡され、終身刑か死刑もありえる」としてエクアドル大使館から出ることを拒否していた。
その後、アメリカ側の手違いで秘密文書が漏れ、アメリカでアサンジ氏に逮捕状が出ていることが暴露された。
MPSは、「アサンジ容疑者は中央ロンドン警察署の留置場に移され、なるべく早くウェストミンスター簡裁に出廷させられる。
MPSは同簡裁の命令により逮捕状を執行する義務を負っており、エクアドル政府が同容疑者の難民保護を撤回した後、エクアドル大使がMPS職員を大使館内に招き入れた」と発表している。
モレノ・エクアドル大統領は、「イギリスに対して、アサンジ氏を死刑や拷問を受ける可能性のある国に引き渡さない保証を求めた。
一方、大使館内でのアサンジ氏の行状には目に余るものがあり、限界に達していた」と声明している。
ウィキリークス側は、「エクアドル大使館内に隠しカメラが仕掛けられており、アサンジ氏の動きがビデオに録画されていた。
アサンジ氏は大使館内でプライバシーを奪われていた」とビデオを添えて公開している。”(出典:NICHIGO PRESS)
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政治学者 姜尚中さんが示した銃乱射事件から垣間見える闇
AERA.dotに掲載された政治学者 姜尚中さんの「『NZは治安のいい土地なのに』という報道に疑問がある」と題されたクライストチャーチでの銃乱射事件に関するエッセィを読み、
ニュージーランドにおける銃社会たる現状と、オーストラリアの
” 豪州のキャンベラにはウォーメモリアル(戦争記念館)があります。ここに行くと豪州は、英米のほとんどの対外戦争に参加して勝利していることがわかります。
かつての白豪主義から多文化主義へとかじを切りましたが、移民政策は厳しく、極右政党が勢力を増しています。
私は以前から豪州には白人至上的なものが伝搬しやすい社会の土壌があるのではと思っていました。
そのうえで、犯人の欧州旅行の経験が異様な行動に駆り立てるきっかけになったのでしょう。
一方、米国の戦争や対外的な政策と比較的距離を置き、たくさんの移民も受け入れていたのがNZです。 “(出典:AERA.dot)
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移民受け入れ15%削減へ
” オーストラリアのモリソン首相は20日、都市部での人口集中の緩和に向け、年間の移民受け入れ人数を15%近く削減し、一部移民については3年間は主要都市への居住を認めない方針を示した。
同国では、住宅価格の上昇や人口過密に対して有権者の不満が高まっており、一部では人口増加がこうした問題を引き起こしたとの声が出ている。
モリソン首相は、年間の移民受け入れを従来の19万人から引き下げ16万人とすると発表。
キャンベラで記者団に「これはオーストラリア国民が対策を望んでいた問題だ」と語った。
首相は、新たな技能ビザで移住する最大2万3,000人も移民制限の対象で、永住権が取得できるのは主要都市以外に3年間居住した後になると説明。
コールマン移民相によると、人口に対しインフラが不足しているメルボルン、パース、シドニー、ゴールドコーストへの居住は認められない。
また、今後の永住権申請では要件を厳格化し、居住地と職場の住所を示す証拠の提出が必要となるという。
昨年9月のリーチテルによる世論調査では、シドニーに住む人の63%が同市への移民の制限を支持すると回答した。”(出典:REUTERS via Yahoo!ニュース)
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「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる