連邦政府、ウクライナ難民に臨時人道ビザ発給発表
” 3月20日付ABC放送(電子版)は、スコット・モリソン連邦首相が、ウクライナ難民に対して臨時人道ビザの発給とウクライナに対する人道援助、軍事援助を発表したと伝えている。
また、同時に、オーストラリアはロシアへのボーキサイト輸出を停止すると発表した。
ボーキサイトはQLD州最北部などに大規模な鉱山があり、ロシア・オリガルヒの1人は同州のアルミ精錬企業の株式を握っていたが、先日、連邦政府がこの利権を凍結すると発表している。
これは現にオーストラリア国内に滞在中のウクライナ人が最高3年間の臨時保護ビザを申請する道を開いたというものであり、ビザ期間中は就労、勉学が認められ、メディケア登録もできるようになる。
また、ウクライナに対する人道援助に3,000万ドルが計上される他、モリソン首相は、「ウクライナ国民はロシア軍の侵略に対して自衛の士気も高く、諸外国に援助を求めている」と語っており、武器供与などの軍事援助に2,100万ドルが計上される。その他、ウクライナ国内の火力発電所を運転するための石炭が無償援助されている。
臨時人道ビザの対象になるウクライナ人は5,000人程度で、技能移民、家族呼び寄せビザ、学生ビザ、観光ビザなどの発給を受けており、これまでに750人がオーストラリアに入国している他、今後さらにオーストラリアに到着することが予想されている。
ただし、国外に避難しているウクライナ人のほとんどはヨーロッパに留まることを望むと推測されており、モリソン首相は、臨時人道ビザの発給数については申請があればそれに応じる。制限を設けていない」と語っている。
ウクライナ国内では原子力発電所がロシア軍に制圧され、また、各地で停電が発生していることから、石炭火力発電所の石炭供給を求めるウクライナ政府の要望に対して、連邦政府は、一般炭7万トン以上を同国に無償提供すると発表している。
政府は、ホワイトヘイブン社から石炭を買い取り、ポーランドまでの輸送費も負担することになっている。石炭は5月にはウクライナに到着する見込み。
一方、オーストラリア産のボーキサイトや中間生成物のアルミナもすべてロシアへの輸出が禁止される。
ロシアのアルミナ輸入量の20%がオーストラリア産でロシアでアルミニュームに精錬して輸出される他、ロシア国内でも様々な用途に用いられている。
モリソン首相は、「今週、オーストラリアの港からアルミナを積んでロシアに向かう予定になっていた船があるが、この船の荷積みを禁止した」と語っている。
オーストラリア政府は3月初めに7,000万ドル相当のミサイルその他の武器のウクライナ軍への無償供与を発表していた。
3,000万ドルの人道援助は、1,000万ドルが複数の非政府系人道支援団体、1,000万ドルが国連世界食糧計画、800万ドルが国際連合人口基金に与えられる他、慈善団体合同機関「Emergency Action Alliance Ukraine Appeal」に200万ドルが与えられる。”(出典:NICHIGO PRESS)
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