井上康生全日本柔道男子強化前監督の『改革』を読了。
先の東京オリンピックの柔道の戦績に井上康生監督の手腕に注目が集まっていた折、サイン本入手機会を捉え手元に引き寄せていたもの。
ロンドンでの屈辱からリオでの復活まで
本書は、師と慕う山下泰裕さんから
“「康生、おまえはロンドン五輪で屈辱を経験し、今の強化現場をよく知っている。日本代表を立て直したいという情熱も人一倍持っているんだろう?だったらやりなさい。”(p30)
と背中を押され、ロンドン五輪男子代表 史上初金メダルゼロという屈辱から、捲土重来を期したリオ五輪では金メダル2つを含む全階級でメダル獲得までに取り組んだこと中心に書かれています。
具体的には
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元財務官僚 高橋洋一さんと、元経産官僚 原英史さんの共著『国家の怠慢』を読了。
「原英史さんにサイン貰えるかも?」の状況から本書を入手し、結果的に高橋洋一さんからも(サイン)頂けた経緯。
本書は、
第1章 コロナで見えた統治システムの弱点
第2章 間に合っていたはずの規制改革
第3章 なぜ役人は改革を嫌がるのか
第4章 モリカケ問題と前川さん、佐川さん
第5章 毎日新聞の「スクープ」で考える報道と国会
第6章 マスコミ報道に未来はあるのか
第7章 産業が丸ごとなくなる時代に
の章立てに沿って、ご両人の官僚時代のご経験などを踏まえコロナ禍さなかのオンライン対談の模様が書籍化されたもの(出版 2020年8月)。
既得権と改革と
以下、幾つか印象に残ったところを抜粋すると・・
続きを読む 高橋洋一さんと原英史さんが対談で炙り出した日本の深層:『国家の怠慢』読了 →
SEKAI NO OWARI の Saoriさんこと藤崎詩織さんのエッセイ集『ねじねじ録』を読了。
サイン本入荷情報をTwitterで見て、「買えるかな〜」と汗をかきながら電車に飛び乗り、
駆け込んだ書店で、最後2冊という状態で滑り込み入手していた経緯。
文に始まるセカオワデビュー
セカオワとの略称は頭に定着していたものの、そこまでの距離感であったところ
” 詩を書き、文章を書くことを生業にしている私たち “(p98)
というインパクト強いネーミングのSEKAI NO OWARIの世界観に、まず文章で触れることになった本書。
” 「あれ?どうして隣の家にいるの?」
驚くべきことに友人はこの瞬間までずっと隣の家を私の家だと思い込み、勝手に部屋を開け、そこで眠っている赤ちゃんとその家族を見ても「知り合いの人が泊まっているのかな」と思うだけで、全く気づかなかっただと言う。”(p39)
という衝撃(笑撃?)の日常もあれば
続きを読む 藤崎沙織さんのアーティストの感性で綴られた日常に惹き込まれた:『ねじねじ録』読了 →
10月上旬の先週で、(2021年)9月下旬に並べた積読9冊 ↙️
を読み終え、新たに積み上がりし(2021年)8月購入
積読本8冊。
汗かきかきの駆け込みに、時節柄の注目ものに
今回も既にサイン本に、或いはサインを貰いに行くべき購入したもの。
ジャンルは半分が小説で、アスリート本に、芸能関連に、エッセーに政治に・・ といったラインアップ。
夏の暑い最中に買っていたもので、「あの時かぁ」と購入シーンが思い出されるものに、当時の話題の人からアンテナ立っての購入に。
ボリューム的には軽め中心。既に右下角の藤崎沙織さん『ねじねじ録』を読み終えたので、(読了記を)次回に。
サメ映画ライター知的風ハットさんの『サメ映画大全』を読了。
サメ映画好きでもなく、このジャンルでは「『ジョーズ』1本で十分でしょ」くらいに思っていたところ
各所で売り切れていく(本書)サイン本情報に触れていた最中、サイン本最後の一冊という状況↓に出くわし、
運命的なものを感じなくもなく・・「買ってみようかな」との心情に至り、購入。その時点でも、実際に読んでみるか否かは決めていませんでしたが、
いざ読み始めてみると
” 初代『ジョーズ』があくまでアニマル・パニック物に徹しつつ人食いザメの恐怖を描いたサメ映画だとするならば、『ジョーズ2』はモンスター・パニック物の系譜に連なる外連味を特徴としている。”(p027/『ジョーズ2』)
に、
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総合格闘家にしてYouTuberとしても人気の朝倉海選手の『革命のアウトサイダー』を読了。
サイン本販売情報に反応し
入手していた著書。
格闘技界の注目兄弟の弟の半生
本書は、
” この本では、僕と格闘技の出会いを中心に、子供時代からRIZINでチャンピオンになるまでの物語を綴りました。”(p222)
とある通りの半生記で、地域で伝説級のエピソードが並ぶお兄さんである朝倉未来選手 ↓
と比較して、高校卒業後、トヨタの下請け業務を担う会社に入社する一方、THE OUTSIDER に参戦し頭角を現す中、
” 社内でも昇進のための試験があり、そういう試験では最優秀を取るなど、決して手抜きをしなかった。”(p83)
に、階級王者を決めるべく参加したトーナメント中、
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筒井康隆先生の『活劇映画と家族』を読了。
サイン本入手に機会に即反応し入手していた経緯。
本書は、
” 映画の中に描かれる運命共同体としての疑似家族を取りあげ、文章として再録することによって小生、読者と共に懐かしい映画の思い出にどっぷりと浸かりたいのだ。”(p4)
と冒頭の「家族と擬似家族」において刊行意図が説明され、
家族と擬似家族
一 「白熱」「血まみれギャングママ」「前科者」
二 ハワード・ホークス監督「ハタリ」の擬似家族
三 ジョン・ヒューストンに始まるボギーの一族
四 西部劇の兄弟
の章立てに基づいて、筒井康隆先生の思い入れの作品について取り上げられています。
滲み伝わる映画愛
「あとがき」に
” 結果として主に筋書きを書くだけになってしまった “(p162)
とある通り、既述の大部分は映画の展開が言語化されたもので、私自身、
ハワード・ホークス監督に、ジョン・ウェイン出演作品は一時どハマりして、紹介作の多くが1950年代前後ながら見ている作品も幾つか含まれているはず、ながらも
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小説家 万城目学さんの『バベル九朔』を読了。
(2021年)6月、西荻窪の今野書店で開催されていた万城目学さんの『ヒトコブラクダ層ぜっと』刊行記念フェアで
購入していた
2冊のうちの1冊。
夜明け前の時期を過ごした・・
舞台は、
” 大学卒業後に勤めたハウスメーカーの事務職を三年で辞め、俺は単身この街にやってきた。おばが退去し、空き部屋になったばかりの五階に社員寮から荷物を移し、バベルの管理人となることを一方的に宣言した。”(p20)
という
先月(2021年9月)読んだ『べらぼうくん』にある万城目学さんの人生の転機を迎えた雑居ビルに着想を得たであろう作品。
拡がるスケール
当初は、管理人とテナント間の交流、人間模様といった次元が、
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「冒険」に出たものだけが、大きな果実を手にすることができる