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浅田真央さんが振り返ったフィギュアスケーターの栄光と苦悩:『浅田真央 私のスケート人生』読了

フィギュアスケート界を牽引した第一人者浅田真央さんの『浅田真央  私のスケート人生』を読了。

昨年(2020年)末に読んだ

<< 2020年12月19日投稿:画像は記事にリンク >> 『浅田真央 100の言葉』を読了して「真央ちゃん」のイメージを完全に覆された

『浅田真央 100の言葉』が印象的で、「また何か・・」と思っていたところサイン本が手に入る機会があり、手元に引き寄せていた経緯。

引退が脳裏を過ぎる日々

引退発表の舞台に始まる(プロローグ)は、

 I  浅田真央、引退

 II 浅田真央、「フィギュアスケーター・浅田真央」を語る

 III 次のステップ

の章立てのもと、

” 表現面を評価する演技構成点では高い得点が出るのだが、ジャンプが決まらないのだ。

技術点がブレーキとなり、総合の得点が伸びてこない。真央の気持ちは揺れ動いた。

真央はそのころの苦しい状況をこんなふうに振り返る。

「がんばってみよう、と思ってはじめたシーズンだったのですが、いろいろなことがうまく回っていきませんでした。

そのせいもあって、試合も思うようにいかなくて。試合を終えるごとに、『もう無理かもしれない』という思いが強くなっていきました。」”(p30)

という引退に至る苦悩、葛藤に、

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筒井康隆先生が描いた錯乱、狂気らが混在加速する短編集:『世界はゴ冗談』読了

筒井康隆先生の短編集『世界はゴ冗談』を読了。

一時(2021年5〜6月)、筒井康隆先生の作品を集中的に購入した

<< 2021年6月13日投稿:画像は記事にリンク >> 先月(2021年5月)末から今週(6/7〜13)にかけて嬉しかったこと:筒井康隆先生本7冊

きっかけになった作品で、本書は

 ペニスに命中

 不在

 教授の戦利品

 アニメ的リアリズム

 小説に関する夢十一夜

 三字熟語の奇

 世界はゴ冗談

 奔馬菌

 メタパラの七・五人

 附ウクライナ幻想

の十編を収録。

三字熟語の羅列のみで展開される「三字熟語の奇」はじめ

「三字熟語の奇」(抜粋)

カオス(混沌)との印象強く、作品によって理解度はまちまちですが、個人的なハマりどころは

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元阪神タイガース横田慎太郎さんが振り返った惜しまれながら感謝に包まれた現役選手生活:『奇跡のバックホーム』読了

阪神タイガース横田慎太郎さんの著書『奇跡のバックホーム』を読了。

本書の出版は承知していて興味を持っていたものの「サイン本出ないかなぁ」と物色していた折、

出典:吉村醸造株式会社 サクラカネヨ Twitter(画像はTweetにリンク)

タイミング良くTwitterで情報に触れ、手元に引き寄せていた著書。

嘱望されていた大器

本書は、

” あとで知ったのですが、タイガースは毎年、大学や社会人の即戦力選手を1位で指名し、2位はもっともほしい高校生を指名するのが通例だそうです。”(p77)

と、高校卒業時に迎えたドラフト会議で阪神タイガースから2位指名を受け、

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前田日明さんが示した日本が厳然と直面している数々の国難:『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』読了

元格闘家、現リングスCEO & 総合格闘技大会「THE OUTSIDER」 プロデューサー 前田日明さんの『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』を読了。

サイン本販売機会を捉え

サイン本入手で、「いつ以来だろう・・」と久々の前田日明本。

即反応し入手していた経緯。

見過ごされている致命的危機

タイトルからてっきり日本人が見落としてしまっていること、気づいてない幸せに目を向けさせられる内容と思いきや

冒頭から

” 日本に対して憤っていることがあるからだ。日本という国の考え方、やり方に怒りを抑えることができない。

例えば、地震対策についてだ。南海トラフ地震は2000年代の最初の時点で30年の間に70%の確率で起こると言われていた。

しかし、日本政府はいまだにしっかりした対策をとっていない。”(p2)

に、現在、未曾有の豪雨が降り続いている九州に関しても

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谷川浩司九段が紐解く藤井聡太二冠の異次元:『藤井聡太論 将棋の未来』読了

谷川浩司九段の『藤井聡太論  将棋の未来』を読了。

(2021年)6月下旬に聴講した

<< 2021年6月28日投稿:画像は記事にリンク >> 谷川浩司九段が紐解く藤井聡太二冠の異次元と、これからの将棋:『藤井聡太と将棋の未来』聴講記

オンライントークイベントに際し入手していたもの。

その道の達人による藤井聡太論

将棋は駒の動かし方を知る程度の距離感ながら、谷川浩司九段のお名前は承知しており、

藤井聡太二冠が他の棋士と比べて、どのようなことが傑出しているのかを知りたくての読書。

 第一章 進化する藤井将棋

 第二章 最強棋士の風景

 第三章 不動のメンタル

 第四章 「将棋の神様」の加護

 第五章 「面白い将棋」の秘密

 第六章 AI革命を生きる棋士

 第七章 混沌の令和将棋

の章立てのもと、読前の期待は、

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アスリート本に、検定不合格教科書シリーズほか季節外れの雨季到来に夏の暑さを感じながら 2021年6月上旬購入積読7冊

先月(2021年7月)中旬に目前に積み上がった6冊を

<< 2021年7月17日投稿:画像は記事にリンク >> 夏到来!東京オリンピックとほぼ並走見込み 2021年5月購入積読6冊

今週読み終え、新たに積み上がりし

l to r(上段):浅田真央『私のスケート人生』, 斉藤和巳『エースの銀言』, 横田慎太郎『奇跡のバックホーム』(中段)竹田恒泰『中学歴史文部科学省検定不合格教科書』, 谷川浩司『藤井聡太論』, 前田日明『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』(下段)田村淳『母ちゃんのフラフープ』

6月上旬に購入していた7冊。

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岸惠子さんが振り返った国境、職種を跨ぎ、新たな女性像を切り拓いてきた軌跡:『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』読了

前々回、読み始め記をアップロードした

<< 2021年8月10日投稿:画像は記事にリンク >> 岸惠子さんが振り返った日本女性として生きた軌跡:『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』読み始め

女優、ジャーナリスト、作家として活躍されてきた岸惠子さんの『岸惠子自伝  卵を割らなければ、オムレツは食べられない』を読了。

その(読み始め記)後、読み進めた

 第III部 イヴ・シァンピとともに

 第IV部 離婚、そして国際ジャーナリストとして

 第V部 孤独を生きる

女優としての顔よりも、

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岸惠子さんが振り返った国境、職種を跨ぎ、新たな女性像を切り拓いてきた軌跡:『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』読み始め

女優をはじめ様々な分野で活躍された岸惠子さんの『岸惠子自伝  卵を割らなければ、オムレツは食べられない』を読み始めてから

 第I部 横浜育ち

 第II部 映画女優として

 第III部 イヴ・シァンピとともに

 第IV部 離婚、そして国際ジャーナリストとして

 第V部 孤独を生きる

と章立てされているうちの「第II部 映画女優として」まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

岸惠子のお名前は承知しているものの、自分の世代上という感覚強く、出演作品が思い浮かぶことない状態ながら

女優の方の自伝は、直近では秋吉久美子さん ⬇︎

<< 2020年11月27日投稿:画像は記事にリンク >> 樋口尚文さんが迫った、秋吉久美子さんの「防御は最大の攻撃」とする女優人生:『秋吉久美子 調書』読了

など年1、2冊といったペースで読んできたことに、ショーケンこと萩原健一さんのエピソードあれば興味深い(掲載の有無不明)であろうと、

最後の一冊のタイミングで購入.-

サイン本きっかけで購入。

鮮烈なる幼少期、そして女優の道

序盤は、

“「こんなところで何をしているんだ!子供はみんな防空壕だ」

その人は母の濡れ布団を引きはがした。一部に火がついて焦げていたのだった。砂利道を引き摺られ放り込まれた防空壕は、詰め込まれた子供や、大人たちの怯えた顔が引き攣れていた。

土を掘っただけの暗い穴を見て、ここにいたら死ぬと思った。暗い穴の中で死ぬのは嫌だった。

・・中略・・

わたしが逃げ出した急ごしらえの横穴防空壕にいた人たちは、土砂崩れと爆風でほとんどが死んだ。大人の言うことを聴かずに飛び出したわたしは生き残った。

「もう大人の言うことは聴かない。十二歳、今日で子供をやめよう」と決めた。”(p27-29)

という九死に一生を得た壮絶体験や

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