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青木理さんが明らかにする蔓延する情報隠蔽の実態:『情報隠蔽国家』中間記

ジャーナリスト 青木理さんの『情報隠蔽国家』を読み始めて

全251ページあるうちの99ページ(第3章の中途)まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

 第1章 日米同盟の暗部と葬り去られた国家機密 ー 現役自衛官が実名告発

 第2章 「私が従事してきた諜報活動と共産党監視」ー 元・公安調査官が実名告発

 第3章 抵抗の拠点から

 第4章 共謀罪と公安警察と前川スキャンダル

という章立てのもと、前半はサブタイトルに記載されている通り、

第1章では、共産党にリークされた内部文章漏洩の犯人に仕立て上げられた現役自衛官、

第2章では、国際テロ対策担当のベテラン公安調査官がイスラム教に改宗したことから辞職に追い込まれた件での、

それぞれ実名告発により、舞台裏はマスコミで報じられないものの、当事者によって防衛省、公安調査庁の内側が生々しく語られています。

気づかざる裏側で進行していく現実

本を読みながら強く実感させられたのは、例えば第1章で事件の引き金となった

” 陸海空の自衛隊を束ねる統合幕僚監部が、法案の8月成立を前提にして、国会と国民には説明せず、海外派兵や日米共同作戦計画などについて具体的に検討していることを示す重大問題 “(p16)

を示す文書の存在が、

国会で明るになった直後(答弁者によって)はぐらかされたものの、後に現役自衛官が起こした訴訟で、国が事実上存在を認めることになり、

国会での虚偽答弁が指摘される状況になったのにもかかわらず、

” 国会やメディアで大して問題視されていない。”(p54)

という実態。

森か、木か、、

「まだ、やってんのか」と、与野党の立場に肩入れすることなく、事の推移を傍観している森友学園、加計学園問題が、

シンボリックと云えば、それまでですが、さまざま問題が露呈(進行)している最中、

特定の問題に世の中の関心、(国会の)時間、労力が集中してしまっている現実には危惧を覚えました。

(本書)後半にかけて更に生々しい実態の開示があるものと、心して読書にあたりたいと思います。

武田砂鉄さんが危惧する「気配」で自爆に向かう日本:『日本の気配』読了

前々回、中間記をアップロードした

<< 2018年5月14日投稿:画像は記事にリンク >> 武田砂鉄さんが危惧する「気配」で自爆に向かう日本:『日本の気配』中間記

武田砂鉄さんの『日本の気配』を読了.-

硬いと(中間記で)書いていたわりには、時間があったこともあり、全291ページ、思いのほか、さらっと読了に至りましたが、

「第3章 愚者と巧者」で、取り上げられている内容が、ワイドショー的ネタ(小池百合子のテレビ活用法、ショーンKとの向き合い方 etc)が素材にされていて

漠然とした関心に背景を何となく掴めていたことも、ペースアップにつながったものと。

途中、(硬い≒)読み辛いと感じたところは不同意の箇所であった感も

タイトルに絡んでくるかの後半の

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武田砂鉄さんが危惧する「気配」で自爆に向かう日本:『日本の気配』中間記

フリーライター 武田砂鉄さんの『日本の気配』を

読み始めて、全5章あるうちの2章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。

「はじめに」で、

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鈴木宗男、佐藤優両先生登壇の勉強会で、セクハラ問題に社会で問われる生きざまに・・ さまざま考えさせられてきた:「東京大地塾」参加記 ⑮

月一で開催されている新党大地主催の勉強会、東京大地塾に参加。

会場はいつもの、衆議院第2議員会館 1階多目的会議室

今回、冒頭の佐藤優先生の講演で語られたテーマは、野党の審議拒否など、国会運営の混乱に拍車をかけた財務次官辞任に伴うセクハラ問題。

福田前財務省事務次官のキャラが立つあまり、他の問題が隅に追いやられ、総理官邸は助かっているであろうとの見立て。

鈴木宗男新党大地代表は、記事が出た時点で、福田前事務次官が会見するべきであったし、佐藤優先生は福田前事務次官が主張している「全体をみれば・・」の主張に対して、「部分がダメなら全体をみてもダメ」だと断罪。

因みに、湘南高校出身の福田前事務次官と浦和高校佐藤優先生は、面識はないものの同年齢で、両校は姉妹校にある関係から在校時、擦れ違っている等の可能性を指摘されていたものの、セクハラ問題に対する世間とのズレは如何ともし難いと。

官僚には、1. 能力、倫理観ともある、2. 能力はあるが、 倫理観は低い、3. 能力は低いが、倫理観は高い、4. 能力、倫理観とも低いに四分類され、最もタチの悪いのが 2,に分類されるタイプで、このことは問題を深くしており、

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大下英治先生が紐解く、政界の巨魁たちが繰り広げた幹事長権力闘争の舞台裏:『幹事長秘録』読了

先日、刊行記念講演会に参加した

<< 2018年4月20日投稿:画像は記事にリンク >> 大下英治先生が語った政治史を動かしてきた幹事長烈伝と安倍政権のこれから:「大下英治が語る、歴代『幹事長秘録』と安倍政権の行方」参加記

大下英治先生の『幹事長秘録』を読了。

政治を動かす幹事長の腕力

本の中、後半(前半は中間記で取り上げ)は、

郵政解散に代表される小泉純一郎政権時の山崎拓、安倍晋三、武部勤の各幹事長が果たした役割、

或いは政権交代が起こり、小沢一郎幹事長が民主党幹事長で目指した制度改革など。

更に、話しは(第二次)安倍晋三政権時の内容も収録され、谷垣禎一、二階俊博幹事長の時まで。

その他、時を遡れば「加藤(紘一)の乱」の鎮圧に奔走した野中広務幹事長のエピソードなど網羅的に昭和四十年以降の政治史がカバーされています。

必然的に時代が今に近づくほど、関心を高く持つようになり(=初めて知る話題が多い)ましたが、

谷垣禎一幹事長(当時)の

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大下英治先生が語った政治史を動かしてきた幹事長烈伝と安倍政権のこれから:「大下英治が語る、歴代『幹事長秘録』と安倍政権の行方」参加記

先日、中間記をアップロードして

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現在、読み進めている大下英治先生の『幹事長秘録』刊行記念「大下英治が語る、歴代『幹事長秘録』と安倍政権の行方」に参加。

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大下英治先生が紐解く、政界の巨魁たちが繰り広げた幹事長権力闘争の舞台裏:『幹事長秘録』中間記

政治経済の分野でノンフィクション作品を数多手がける作家 大下英治先生の新著『幹事長秘録』を読み始めて

全349ページあるうちの半分程度、145ページまで(第三章  平成の”喧嘩師”幹事長列伝)を読み終えたので、そこまでのおさらい。

内側から描く凄腕幹事長の実像

冒頭(「はじめに」で)、

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小泉純一郎元首相が振り返った、議員活動を通じて実現しようとした日本への思い:『決断のとき ー トモダチ作戦と涙の基金』読了

小泉純一郎元首相が、自身の政治家としてのキャリアを振り返った『決断のとき ー トモダチ作戦と涙の基金』を読了。

先月参加した講演会↓の対象書籍で、

<< 2018年3月10日投稿:画像は記事にリンク >> 小泉純一郎元首相が原発ゼロを通じて説く日本への思い:『決断のとき ー トモダチ作戦と涙の基金』刊行記念 小泉純一郎講演会「日本の歩むべき道」参加記

 序章 ルポ・「涙」のアメリカ訪問記 常井健一

 第一章 仁 小泉純一郎

 第二章 義 小泉純一郎

 第三章 礼 小泉純一郎

 第四章 智 小泉純一郎

 終章 「信」を問う 常井健一

という章立てのもと、主として小泉純一郎元首相が語ったことをかつて『小泉純一郎独白』を出版されている

<< 2016年2月26日投稿:画像は記事にリンク >> 小泉純一郎元首相の本音が、本を越えて次々と突き刺さってきた:『小泉純一郎独白』読了

(取材・構成)常井健一さんが、まとめられて上肢された一冊。

小泉純一郎元首相を突き動かした一言

序章と第一章は記述の重複が散見され、引っかかるところもありましたが、先日の講演会のテーマにもなった

トモダチ作戦被害者支援基金」に、小泉純一郎元首相が携わることになった経緯がまとめられており、復習的な意味合いで読めました。

東日本大震災後、韓国行きを変更して復興支援に当たってくれた米兵の

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