高城剛さん第三弾、今回は『黒本』。
『白本』は入門編といった感じですが、『黒本』になると、高城さんの覚悟が感じられて、惹き込まれます。
構成は『白本』と同じく、「高城未来研究所フューチャーリポート」のなかの読者とのQ&Aがもと。
>> 高城剛さんのライフスタイルから導かれた答えに感じる生き方:『白本』その壱 <<
>> 高城剛さんのライフスタイルから導かれた答えに感じる生き方:『白本』その弐 <<
しかし、『黒本の』の冒頭の紹介に・・
” 大手出版社ではとても出せない「日本の真実」についてまとめたものです。実際、大手出版社から「出せない」といわれた言説も多くあり、そのことがむしろ「日本の真実」を裏付けています。” (8%/紙の本でいうところのページ数の相当。以下同様。)
” かつてなら「発禁本」だったでしょうし、今も大手出版社からこのような本は出せない状況にあります。” (10%)
海の外から見ゆる「日本」って?
読者からの「最近(2013年)の日本をどのように見ていますか?」との問いに・・
” 今は、封建制度を守りながら新自由主義に移行しようとしているので、無理が生じています。その教えは儒教のままで、地位や年齢の高い人が絶対です。” (10%)
” 日本の儒教は「目上の権力者が築いたフレームを壊すな」という教えなのです。そして困った時には、上下関係を正そうとするのではなく、下のものたちだけで互いに工夫し助け合え、という思想です。後者は今日「絆」や「和」という言葉に置き換えられています。” (12%)
” 今も東京は世界一生活コストが高い街な上に、最低賃金が先進国でもっとも低いんですよ!” (10%)
” テレビは免許制度のために、常に体制側にたっています。” (12%) / ” 1%=基本的に大企業の一部が絶対であり、大企業が99%の人々から集金するのを手助けする装置がテレビなのです。” (13%)
” テレビと大手芸能事務所の大企業広告に依存する共犯関係は、日本の国益を大きく損ねています。” (24%)
” 日本のテレビは、広告主や政府の代弁者のようです。今テレビに出ているタレントも広告主や政府の代弁者ですので、素人はいじりますが、古参の政治家や官僚、企業家をいじることは滅多にありません。” (29%)
” 僕は現在の日本人の中にある「自ら変化を望まない気持ち」が、この国の最大の壁になっているように思います。それは、90年代後半からマスメディアによって決定的に育てられたものだと思っています。 ・・中略・・
実は誰でもすぐにでもできる「自ら変化すること」を実行できる人は少ないのではないでしょうか。” (90%)
あるがままで「視て」「視通す」力の源泉
『黒本』で語られているマインドセットには、
” 人は手に入れるより、手放すことのほうが大変なんだと思います。 ・・中略・・ まず、「恐れ」を「手放す」のです。 ・・中略・・ 「手放す」ものを増やすことが、次の楽しさの秘密なのです。” (16%)
” インターネットを忘れて、もっとライフスタイルを追求することで、収入は見えてくるものです。まず大切なのは、「得る」ことを考えるより、「捨てる」ことだと思います。” (17%)
” 「こうしなければいけない」という固定概念にとらわれ、その固定観念からはみ出ないように、お互いがお互いを監視する社会になってしまったことがさらなる問題なんだと思います。
その監視社会の最大の装置が「マスメディア」です。恐らく、多くの方がお感じのいじめに対する気持ちは、マスメディアによるものです。
なにしろ、マスメディアの体質そのものが、いじめだからです。そのほとんどは「和を乱してはいけない」ということだと思いますし、それが国内ニュースばかりに偏重している最大の理由です。” (37%)
” すべての回答は、必ずご自身の中にあると思います。” (38%)
” 大切なことは、待遇でも外からの見た目でもありません。自分で今の仕事を楽しんでやっているのか、ということだけです。” (44%)
「すべての回答は・・」の回答は、アンソニー・ロビンズ、池松耕次さんのメッセージと一緒で、自分が抱く問題の解決策は常に自分自身の中にあるという事、高城剛さんも同様の考え。
日本人の脳裏に刻まれている考え
日本の宗教観に関して・・
” かの山本七平は、日本の宗教すべて、たとえキリスト教だろうが、仏教だろうが、それらは「日本教」の中のキリスト教や仏教で、他国のそれとは違うと論じました。
日本における宗教は、すべて「日本教」と呼ばれるものの中に組み込まれているというのです。僕も概ね同意しますが、さらに日本最大の宗教は「消費活動」にあると思います。
クリスマスも正月もバレンタインも、「消費活動」がメインにあると言っても過言ではありません。神様を讃え、家族と家で質素に過ごすようなことはありません。” (72%)
「消費=豊かな生活」の図式が思い込みである点は、先日、取り上げた平秀信さん/仙人さんのウェビナーでも語られていた事で
>> 平秀信さんと仙人さんが紹介する45の方法を使って導き出す人生で最も大切な事って? <<
確かにテレビを見ていると、多分に購買欲を誘発される側面がありますね。
日本の予測される未来として、米国を例に・・
” 100万人の富裕層と2000万人の食事を取れない貧困層に別れる事になります。その間の人々は、大企業に「生かされている」人々となります。それが、日本の未来なんですよ。もちろん、この話は公には内緒です。” (75%)
そして、世の仕掛けから抜け出すマインドセットとして・・
” 日々の「寂しさ」や「虚しさ」を忘れるために、なにかに「依存」する「現代社会の罠」は、あらゆるところに潜んでいると思います。 ・・中略・・
日々社会が「愛」も「お金」も「友情」も「モノ」も「情報」も「つながり」も、「あなたは不足してますよ!」と訴える仕組みでできているからです。
ですので、真面目な人たちほど、「不足しているので補わなければ」と思います。
そして現在、多くの人は「自分は不足している」と感じている上に「もう補えない」と思っているので疲弊しているのです。
この仕組みから抜け出すには、まず「自分は不足してない」と本当に思えるかどうかだけだと思います。” (86%)
「非定住」が示唆する国の赤信号と希望
読み始めてほどなく、「白(本)」と「黒(本)」に込められた意味を解読し、俄然「高城剛」に対する人物評が変わる事になった一冊ですが
根底に流れる高城剛さんの人生観は
” 人生は、楽しむものです。” (95%)
という事に集約されているのだと思います。自分の場合、テレビと距離を置くようになって、数年といった時間軸ですが
何となくの習慣、考え方(マインドセット)の歪みによって、
本来あるべき姿が、それらによって変容させてしまっている事を気付かせてくれる内容と感じました。
実は、既に高城剛さんの次の著作を読み始めているところですが(笑)
そこに、
” 定住しないことが現代的ピンチを切り抜ける良い手だてのひとつであるのは、間違いありません。
また、フランスの才人ジャック・アタリは、今後地球人は動けない定住者と非定住者に大きく分かれていくだろうと言っています。”
と書かれており、高城剛さんのライフスタイル「非定住」から得られた学びに、我々の大多数「定住人」が多くをこれから学び、実践を問われる事になりそうです。