オーストラリアの失業率(2016年1月)
” 豪政府統計局(ABS)は18日、1月の失業率(季節調整値)が前月比0.2ポイント上昇の6.0%に悪化したと発表した。
雇用者数が前月比7,900人減の1,189万4,500人で、失業者数は3万200人増の76万1,400人となった。
ただ、失業率は前年同月比では0.3ポイント改善している。専門家の間では、雇用統計の信頼性に疑問があるとの声も出ている。
失業率は男女ともに悪化し、それぞれ0.3ポイント上昇と0.2ポイント上昇の6%だった。
州別では、ニューサウスウェールズ州やビクトリア州などで悪化したが、南オーストラリア州や西オーストラリア州、タスマニア州で改善した。
市場は失業率について、前月から横ばいの5.8%と1万5,000人の雇用増加を予想していた。
失業者のうち、フルタイム求職者は2万5,600人増の54万4,100人、パートタイム求職者は4,600人増の21万7,300人。
一方、フルタイム雇用者は4万600人減の818万5,800人となった一方、パートタイム雇用者が3万2,700人増の370万8,700人だった。労働参加率は65.2%と横ばいだった。
オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀のエコノミストは、昨年を通して雇用が堅調だったことから、労働市場を軟調とする指標があるものの、昨年12月と1月の結果で雇用市場の頭打ちを判断するのは早いとし、今年は5.75%前後を推移すると予測している。
また、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)の反応について、今月の結果は想定内で政策金利を考える材料にはならないとしている。ただ、年内に政策金利が0.5ポイント下がると予想している。
オーストラリアのオンライン証券コモンウェルス・セキュリティーズ(コムセック)のエコノミストは「雇用は過去6カ月に1カ月当たり平均で約2万5,000人増えている。雇用の伸びは堅調だ」としている。
■信頼性に疑問も
一方、マックレナン前ABS局長は「過去6カ月の雇用統計は価値がない」と発言。RBAのスティーブンス総裁やフレーザー財務次官、多くのエコノミストらも技術的問題があるとして、雇用統計に疑問を投げかけている。”(出典:NNA.ASIA)