先日、中間記↓をアップロードした
ジャーナリストの櫻井よしこさんの『日本の敵』を読了。
遺されるいる「武器」
本の最後、「文庫版あとがき」で
” 私たちの手にある「武器」は事実のみである。だが私たち日本人は余りに歴史の事実に無関心であり続けてきた。
中国や韓国、はたまた国内の反日・左翼的な人々にとって、日本人はこの上なく好都合な油断だらけの人々であったようだ。
日本人の無関心と無知を利用して、彼らは歴史を捏造し歪曲して、事実無根の非難を日本に浴びせ続ける。
だが、そうしたことはもう終わらせよう。私たちが事実を探りあてて反論しよう。
この書からもわかっていただけるように、私だけでなく、少なからぬ人々ができる限りの言論活動で情報発信してきた。”(p350-351)
という読者への警鐘、呼びかけが記されており、本文の中では朝日新聞の慰安婦報道を巡る一連の姿勢、例えば
” 「日中戦争や第2次大戦の際、『女子挺進隊』の名で戦場に連行され、日本軍相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、
1人がソウル市内に生存していることがわかり、『韓国挺身問題対策協議会』が聞き取り作業を始めた」
この女性、金学順氏は女子挺身隊の一員ではなく、貧しさゆえに親に売られた気の毒な女性である。
にも拘わらず、植村氏は金氏が女子挺身隊として連行された女性たちの中の生き残りの一人だと書いた。
一人の女性の人生話として書いたこの記事は、挺身隊と慰安婦は同じだったか否かという一般論次元の問題ではなく、明確な捏造記事である。
それを朝日は、当時、両者の違いは判然とせず、植村氏は「誤用」したと説明する。
一般論に薄めて責任逃れを図る。これでは「批判に真摯に耳を傾ける」などと言う資格はない。
日本のメディア史上、これほど深刻な濡れ衣を日本に着せた事例は他にないだろう。
それでも、朝日は居直り、自らを被害者と位置づけ、自己防衛に走る。
朝日が終わりだと確信する理由は、この恥ずかしいまでの無責任さにある。”(p287-288)
外務省の
” 「外務省には、拉致被害者が犠牲になっても致し方ないという方針が従来からあります。
2002年平壌宣言を出した当時の国会論議で、たった10人の(拉致被害者の)ために日韓国交正常化が遅れるという声が外務省高官から出ました。
国会議員の中にもそれ(拉致よりも国交正常化優先)で行こうという動きがありました。蓮池さんら5人が帰国するまでそうでした」”(p305)
不作為や姿勢などについて厳しく糾弾されています。
日本、日本人を辿る地道だけど大切なこと
全編356ページに及ぶボリュームで、本書を読んで知らされ、考えさせられた箇所が点在し、
特に日中関係、日韓関係について無知であることを知らしめられました。
これらに関することの多くは自然と学習できる類のものではなく、
自らが興味を持つことによって(様々な立場の文献に触れ)学んでいけるものだということも、本書を読んで実感したことでもあります。