失業率 − 2022年2月
” 豪政府統計局(ABS)が17日に発表した2月の失業率(季節調整値)は、4.0%と前月から0.2ポイント低下し、過去最低の水準に並んだ。これまでに4.0%まで下がったのは2008年2月と8月のみ。
就業者数が7万7,400人増えたほか、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」流行の影響で前月に大きく減少していた総労働時間は、前月比8.9%増の18億1,300万時間と回復した。失業率が4%を割るのは時間の問題とみられる。
2月の男女別の失業率は、男性は前月から0.1ポイント改善の4.2%、女性は0.2ポイント改善の3.8%となった。
失業者数は、前月比3.2%減の56万3,300人。失業者のうち、フルタイム求職者は5.9%減の37万5,800人、パートタイム求職者は2.7%増の18万7,500人だった。
就業者数は、前月比0.6%増の1,337万2,000人。フルタイム就業者は1.3%増の922万8,000人、パートタイム就業者は1.1%減の414万4,000人だった。
ABSのジャービス労働統計部長は「失業率が4%を下回ったのは、統計が現在の月次ではなく四半期ごとにまとめられていた1974年11月以前までさかのぼる」と説明した。
1週間の病気休暇をとった被雇用者の数は通常より80%多く、前月に引き続き高水準となった。
■労働参加率は上昇
州別の失業率は、◇ニューサウスウェールズ州◇クイーンズランド州◇北部準州(NT)◇首都圏特別区(ACT)――が改善した。悪化したのは、◇ビクトリア州◇南オーストラリア州◇西オーストラリア州◇タスマニア州――だった。
労働参加率は0.2ポイント上昇し66.4%だった。希望する就労時間が得られない不完全就業者の比率は、0.1ポイント改善の6.6%だった。
■RBAに利上げ圧力
オーストラリア連邦準備銀行(RBA)は、失業率が4%まで下がるのは6月と予測していたが、前倒しで達成した形となった。
会計大手KPMGのエコノミストは「労働市場は力強く、米国連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに動いたこともあり、RBAに対しては早急に金利を引き上げるべきとする圧力が高まるだろう」とした。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストは「労働需要は強く求人数もまだ多いため、失業率が3%台に突入するのは目前だ」との見方を示した。”(出典:NNA ASIA)
続きを読む オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2022年2月 →