草原に現れた真っ白なカンガルー。専門家は「アルビノではなく白変種」
” オーストラリアの広大な大地に息を呑むほど真っ白なカンガルーが姿を現し、話題を呼んでいる。
カンガルーは6か月前にも目撃されていたが、目の色からアルビノ(先天性色素欠乏症)ではなく白変種の可能性が高いようだ。『ABC News』などが伝えている。
豪クイーンズランド州ロングリーチの郊外の草原で7日午後、神々しいほど真っ白なカンガルーが姿を現し、その貴重な姿が撮影された。
クイーンズランド州の奥地に住む動物や鳥などを観察するサファリツアーや、開拓者たちの生活に触れて歴史を学ぶツアー「Nogo Station Experience」を行うサラ・キノンさん(Sarah Kinnon)は発見当時を振り返り、このように語っている。
「ちょうど夫と共に外に出て、雄羊たちを囲いの中に戻している時でした。そこに白いカンガルーがいたのです。」
「カンガルーの隣に白い紙を置いたら、その白さがよく分かったことでしょう。とても素晴らしいものを目にしました。」
「本当に、感動しましたよ。」
ロングリーチから15キロほど離れたこの場所では、6か月前にも白いカンガルーの目撃情報があがっていた。
この貴重な機会を逃すまいと、目撃者のサラさんはすぐにカメラを取りに走ったようだ。
「長らくその姿を拝めなかったので、少し焦っていました。」
「娘を夫に託し、カメラを取りにいく時間が精いっぱいでしたよ。」
こうしてサラさんは、非常に珍しい白いカンガルーの横顔と後ろ姿を写真に収めることに成功した。
耳の先と足先、尾の先に少しベージュがかったカンガルーは全身が白く、とても美しい。
野生で目撃される白い毛、羽、鱗などを持つ生き物はアルビノ(先天性色素欠乏症)であることも少なくないが、どうやらこのカンガルーは「白変種」と呼ばれる遺伝子の突然変異が原因のようだ。
クイーンズランド博物館の脊椎動物学芸員であるポール・オリバーさん(Paul Oliver)は、このカンガルーが白変種である根拠を次のように説明している。
「写真を見る限り、このカンガルーは黒い目をしているようです。アルビノではないと思います。」
「アルビノのカンガルーはほとんどがピンク色の目をしており、白変種という別のタイプの突然変異では目が黒いのです。」
「特に、このカンガルーは大人になるまで生存していたのですからね。」
「通常のアルビノは短命です。明らかに目立ってしまうし、メラニン色素に守られていない目はきちんと見ることができないからです。」
「このカンガルーは地域の象徴的で、特別な存在になるかもしれませんね。」
メラニンの欠乏により肌や目の弱いアルビノに比べ、白変種は遺伝子の変異により色素が部分的に失われて毛色が薄くなるものの体の大部分には影響がないそうだ。
とはいえ自然界において目立つことは、天敵に見つかったり、仲間外れにあうなどの困難を伴う。
そんな過酷な環境を乗り越えて成体になったこの白いカンガルーの無事を願うサラさんは「私たちはただ、このカンガルーが狙撃手に狙われたり、車の前に現れたりしないことを祈るだけです」と話しており、このように続けた。
「このカンガルーが周辺に居ついて、もっとたくさんの人に見てもらえるようにと願っています。」”(出典:Techinght via livedoor NEWS)
続きを読む オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:草原に現れた真っ白なカンガルー。専門家は「アルビノではなく白変種」 →