オーストラリア英語も日豪関係に40年以上携わる田中豊裕さんに学べる一冊:『豪州読本:オーストラリアをまるごと読む』おさらい ②

前回の続きで、

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『豪州読本:オーストラリアをまるごと読む』のおさらい2回目。

今回は、オーストラリア独特といった感じでクセのある英語(各箇所、抜粋)について。

” オーストラリアに最初に入植したのは、イギリス人であるから国語は英語である。

しかし、過酷な開拓時代を経て、オーストラリア特有の英語が育ってきた。

発音、表現、意味なども本場のイギリス英語からだいぶ変化している。

日本人が、オーストラリアを訪ねたとき最初に気づくことは、まず母音のAの発音がエイではなく、アイと聞こえることであろう。

よく例として挙げられるが、英語で I went to the hospital today. という表現があれば、

最後のtoday(ツデイ)の発音が to die(ツダイ)と聞こえることである。

つまり、「今日病院へ行った」という代わりに、「病院へ死ぬために行った」ということになり、意味が大きく違ってくる。

もちろん個人差はあるが、田舎や地方ではエイがアイとしばしば発音されるし、労働者の間でもこの発音が顕著である。

しかし、中流階級や教養の高い人の発音はアイではない。エイないしはエイに近い発音をする。

こういう発音をする人は全体の10%くらいだろう。ラジオやテレビのアナウンサーなどはそうである。” (17%/百分率は電子書籍のページ数に相当)

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ほぼ全土共通で使えるオーストラリア英語

” また、発音においても口の中でもぐもぐといっているようで、なかなかわかりにくい印象を持つ。

オーストラリアにはハエが大量に発生する。大きく口を開いて話すとハエが口の中に入ってくるので、

口をできるだけ開かずに話すようになったといわれる。

大概オーストラリア英語の元になっているのは、イギリス、ロンドンの下町コクニー地区、労働者階級の英語である。

オーストラリア英語の特徴は、アメリカ、イギリスと違って、人種、地域、階級による発音の違いがないことである。

また、広大な大陸であるにもかかわらず、地方によって方言や独特の言い回しなどの違いもほとんどない。

だから、話されている言葉だけで人の出身地域を簡単には判断できない。” (17%)

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地域によって変わる単語の意味

” もちろん言葉の上で、地域により違いがまったくないということではない。地域によって同じ意味でも使う単語が違う例があり、

また単語の発音においても少し違いがあることもある。このことにより地方色が出る。

典型的な例が、バーにいってビールを注文するとき、場所(州)によって同じ単語でもその内容が違う。

たとえば、カウンターでビールを注文するときにスタビー、ミディー、スクーナーという言葉を使うのであるが、

ミディーは西オーストラリアでは中ジョッキー、ニューサウスウェールズ州では同じ注文でも10オンスのものが運ばれてくる。

スクーナーに関しては、ニューサウスウェールズ州では大ジョッキー(15オンス)で南オーストラリアでは9オンスしかない。

またパン、ミルク、アイス、ミートパイ、新聞などを売っている店は、州によって呼び名が違う。

一般的にニューサウスウェールズとビクトリアではミルクバー(milk bar)、南と西オーストラリアではデリ(deli)、

クイーンズランドとタスマニアではコーナーショップ(corner shop)である。”(17%)

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よく使うオーストラリア英語表現

” オーストラリアで話される英語は、米英より砕けた表現が多い。たとえばハロー(hello)に対してグッデイ(G’ day)、

Thank youの代わりにター(Ta)が使われる。Thank you や sorryに対する返事として you are welcomeの代わりにNo worriesを使い、

SorryはPardonの代わりによく使われる。Good-byeという代わりに Cheers や see you laterをよく使う。

オーストラリア独特の俗語も大変多い。たとえば、強調する単語の前に「bloody(ブラディー)」という言葉をやたら使う。

この場合、意味としてはまさに、「ひどい、べらぼうな」など形容詞、副詞として大げさに、強調するために使われる。

米語、イギリス英語でないオーストラリア英語である。この言葉、戦前まで人をののしり、けなし、誹謗する言葉として使われていた。

そのため、裁判所の公判中に使われ、1ポンドの罰金が課せられたこともあった。

しかし、戦後は物事を強調するときに使うようになり、ののしりや誹謗の要素はほどんと消滅してしまった。

他にも会話の中に頻繁に出てくる典型的なオーストラリア俗語がある。飲み物を意味するグロッグ grog(一般的にビールをさす)や

プロンク plonk(普通ワインを意味する)、Too right(まさにそうだと同意するとき)、unreal(物事を褒め称えるときに使う)、

She is apples(物事に対して心配しなくてもすべてうまくいくという願望があるとき)などである。

人や物を称賛するときにはビューティー(beauty)、気分が優れないときにはクルック(crook)が使われる。

また、まさに、正真正銘をフェア・ディンガム(fair dinkum)といい、たとえばdinkum aussie(生粋の、正真正銘のオーストラリア人)、

I am fair dinkum(うそ偽りのない、まさに本当)のように使う。

だらしのない、ルーズなことはスロッピー(sloppy)、変わり者はラットバック(ratbag)、馬鹿、狂気の沙汰はナッツ(nuts)、トイレはルー(loo)である。

仕事を終わるはノックオフ(knock off)で、What time do you knock off ?(何時に会社を出る?)のように使う。

都市のことをスモーク(smoke)といい、シドニーなどの大都市をビッグ・スモーク(big smoke)という。

コーヒーや紅茶を飲むとき white with no sugarやblack with sugar というような表現をする。

この場合、whiteとはミルクのことで(濃縮ミルクじゃなく普通の牛乳)、砂糖なしのミルク入り、blackはストレートのことをさす。”(17-18%)

長くなってきたので、今回はこの辺で。続きは後日に。

 


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