『豪州読本:オーストラリアをまるごと読む』のおさらい編の11回目.-
今回は、オーストラリアでの暮らしぶり、ライフスタイル(住環境、休暇の過ごし方、スポーツなど)について焦点が当てられた
「第七章 暮らしぶり ー オーストラリアのライフスタイル ー」からの初回で、住環境についての抜粋です。
オーストラリアの住環境
” オーストラリアの戸建て住宅は羨ましいの一言。さらに人生を謳歌するための職住遊学の環境空間が整っている。
住まい空間は大陸が広いので一戸建ては日本の平均的な建て地の何倍もある。(*本文で「一戸建ち」と記載されている箇所は「一戸建て」と表記しています)
平屋建てが主ではあるが、その住居空間も日本の何倍もある。住居の表裏には広い庭があり、プールやテニスコートがある家も多い。
入植当時から住宅を建てる際に、最低の敷地を確保せねばならないといった法律さえあり、今でもそれが存在するのである。
たとえば、南部のアデレードなどでは入植当時から、法律により戸建ての場合は、最低570㎡の土地を確保しなければならないといった具合である。
だから一般に平均1,000㎡以上の敷地に300㎡くらいの住宅を建てて、住むということである。
約800万世帯が民間の住宅に住んでいる。そのうち約80%が戸建て、11%がアパート・マンションで、9%がテラス・ハウス、タウン・ハウスである。
この約800万世帯のうち76%が、3LDK以上の住宅に住んでいる。”(位置No.2383-2390/数値は電子書籍のページ数)
住宅占有基準
”カナダ政府が住宅の占有基準なるものを出している。この基準は先進国で普通採用されているものであるが、要約すると・・・
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一部屋2人が限度
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5歳以下の幼児は性別にかかわらず一部屋を共有使用可
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18歳以下の子どもで同性の場合は一部屋を共有使用可
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18歳以上の家族、夫婦、カップルはそれぞれ個室を使用
この住宅の占有基準を満たさない場合は家が狭すぎるということである。
オーストラリアの場合、この条件を満たさない世帯が全体の約2.8%でもう1部屋必要、
一方で80%以上の世帯では必要以上の部屋数のある住宅に住んでいるという調査結果が出ている。
なお、持ち家は全世帯の約70%で、そのうち半分は住宅ローンを利用せず現金で購入している。”(No.2390-2400)
住宅を取り巻く周辺環境
” 都心にもそんなに遠くなく、学ぶための学校、大学などの教育施設、レクリエーションのための公園、医療、慰労施設、ゴルフ、テニスなどのスポーツ施設、
ショッピングセンターなどの生活施設などが近くに配備されており、かつ丘や海、川にも近いという理想的な環境である。
建物はレンガや石造りが多く耐久年数が長く、その価値は下がらない。
アデレードでは、今も170年以上前の入植当時そのまま住宅が多く残っていて、人びとが快適に生活をしている。
上下水道は、先進国でも一番整備されている。都市部だけではなく地方においてもしかりである。”(No.2408-2428)
住宅行政及び賃貸住宅相場
住宅行政に関しては連邦政府、州政府も積極的である。
新規に一戸建てを購入する場合は1万4,000ドルの助成金が出る。
また土地の購入し、そこに家を建てる場合は1万4,000ドルの助成金が出る。
対象はオーストラリア国民とオーストラリアに永住権を持っている人である。
2009年度連邦予算においてはさらに、それぞれ7,000ドルの上乗せが提供された。つまり、1万4,000ドルと2万1,000ドルの助成金になる。
不動産購入に際し、かかる印紙税(一般的には3,000万円の物件で100万円近くかかる)、
さらには住宅ローンの契約をすると印紙税(一般的には3,000万円のローンで150万円程度)がかかるが、両方とも免除している州がある。
これらの政策は、良質の賃貸住宅をより多く供給するということを目的にしている。
賃貸住宅はマンション、タウンハウス、一戸建てで家財付きと家財なしの両方の選択肢がある。
都市、場所、サイズにより賃料は違うが、都市での一般的な賃貸料は2LDKで週当たり250〜500ドルぐらいである。
この場合、敷金(預託金)は2〜6週間分で賃貸契約が終了すると戻ってくる。”(位置No.2383-2437)
オーストラリアのイメージを担う住環境
私が幼少期に、最初、オーストラリアの住宅を往訪する機会があった際、
プールがあって、テニスコートがあって・・ という、日本の住宅とのあまりの違いに
文字通りのカルチャーショックを受けましたが、今回学べたことでも、
” 持ち家は全世帯の約70%で、そのうち半分は住宅ローンを利用せず現金で購入している。”
など、見えない部分での日本と異なる実態を垣間見て、こと住宅に関しては羨望、憧れの思いを改めて抱きました。