下記の記事は、Facebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」10月27日付の記事を転記したものです。
ネッド・ケリー ③
” 彼らは最初から組織犯罪を犯すことは考えていなかった。母親の無実を訴えるための金策に非合法の酒を造り、金を作った。しかし、警察の捜索の手が厳しくなり、揚げ句の果てに、追跡の警官4人と銃撃戦になった。ネッドは3人の警官を射殺してしまった。
この結果、一味はお尋ね者になり、多額の賞金が懸けられ、徹底的に追われる身になった。逃亡するためには金が必要であった。それで、4人は2つの銀行を襲撃し、現金を略奪した。
しかしこの銀行強盗に関しては、決して人を傷つけたり、暴力を振るったり、罵声を浴びせたりすることはなかった。さらには、銀行で奪った金の一部を貧しい人に分け与えたといわれている。
そして、銀行の隣のホテルに町の人びとを集め、そこでネッドは一味の行動の正義と正当性に関して演説をした。一味の味方をする街の住民も多く、また住民の中には武器を持って警察と対抗しようとする人さえいた。”(出典『豪州読本』No.563、572)
話しのバックグランドは異なりますが、町民との交流は黒澤明監督の「 七人の侍」を想起させ、
チームでのアウトローな感じはポール・ニューマンと ロバート・レッドフォードが主演した「 明日に向かって撃て」を彷彿とさせられました。
後世に語り継がれる話しというのは時代、国境を超え、人の心に共感される要素が込められているものでしょう。
ネッド・ケリーの オーストラリア以外での知名度は「?」ながら、ここまでのストーリーを読んで、なぜオーストラリア人が彼の生き様に思い入れを抱いているのか、おぼろげにその感覚が伝わってきました。この話し、あともう1回です。