市民権取得条件厳格化の議論
” 1月3日、ピーター・ダットン移民相が、「市民権申請テスト内容を全面的に書き替え、これまでのような歴史と政府に関する知識重視から、社会的統合やオーストラリアの価値観重視に変えるべきだと発言した。
これに対しては各民族のコミュニティ・グループからは、市民権取得手続きで特定の人々を悪者扱いしたり、不当に厳しくすべきではないと反発が出ている。シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
ダットン大臣は、「市民権申請テストで犯罪組織、犯罪、テロなどに関わっている者などを含め、問題のある人物をはねのけるためのテストにするため、論議を巻き起こしたい」と語っている。
メルボルンの3AWラジオ放送で発言した大臣は、「テスト内容を子供の教育、国法遵守の意思、健康な労働年齢であれば仕事に就いているか、長期にわたって福祉を受けたことがあるか、などの点をチェックすべきだ」と語った。
オーストラリア移民協会のカーラ・ウィルシャーCEOは、ダットン発言を懐疑的に受け止めており、「市民権テスト・プロセスは常に更新改善する必要があるが、移民を悪者扱いしないように気をつけなければならない。
市民権と帰属意識はオーストラリアの多文化主義の根幹だ。移民の市民権取得を締め出したり、出稼ぎ社会にしてしまうことは避けなければならない。
統計でも、移民はオーストラリア生まれに比べて福祉受給の率も低く、また移民の子弟は学力でもオーストラリア生まれの平均を上回っている」とダットン発言に否定的な考えを示している。
フェアファクス・メディアが入手した草案によると、永住権や市民権取得を厳しく制限することや、テストでオーストラリア社会への責任と関与を強く打ち出すことが提案されている。”(出典:日豪プレス)
移民に関するスタンスは、ヨーロッパ、アメリカでも選挙等で重要な論点となっており、
比較的寛容と捉えていた「オーストラリアでも同じか」といった感じで記事に目を通しましたが、
世論がどのように受け止めるかなど、しばらく推移を見守る必要がありそうです。