移住の理想と現実 ①
” オーストラリアの職場で働く日本人移住者の多くが、オーストラリアの職場環境や勤務形態およびワーク・ライフ・バランスに肯定的な印象を持っている一方で、
「移住者」あるいは「外国人」である立場は、日常生活やビジネスの場面で様々な苦悩をもたらす。
ウッドゥン(Wooden et al. 1994)らが指摘するように、オーストラリアに移住する移民一世は、一般的に定住過程において文化的および現実的側面において様々な問題を経験する。
この傾向は、筆者のフィールドワークにおける参与観察や聞取り調査でも観察され、日本人移住者は様々な困難を経験していたが、
その中でも言語バリア、ビジネス慣習の相違、人種差別の三点は、移住者の多くが経験する主要な要素であった。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p186)
「移住」に関してアカデミック(学術的)なアプローチで紐解かれている一冊ですが、ご関心をお持ちの方も少なくないであろうと、分かりやすい箇所をシェア出来ればと思います。
どこへ行っても理想郷がそこに在るのではなく、郷に入れば郷に従えの部分と向き合うプロセスは必要と考えますが、
移住を実現した日本の方々が、どのような現実と向き合って、如何様な適応能力が求められたのか? 興味のあるところです。