移住の理想と現実 ②
” オーストラリアの永住権取得には一定の語学力が必要とされているため、大半の日本人移住者は英語を日常レベルで使用する運用能力を有している。
しかし、フィールドワークをとおして、彼らの多くが特に移住直後の時期に言語バリアに苦悩した経験があることが分かった。
現在、日本市場向けのコールセンター勤務する三十歳代の女性は、英語をめぐる苦労について次のように語っている。
(仕事をしていて大変なことは)やっぱりコミュニケーションですね。お客さんとも会社の同僚とも大切だし、難しいなあと。
難しい点は、(日本語での)苦情の対応ですけど、やっぱり職場内の上司とかとの(英語での)コミュニケーションの方が大変かな。
同様に、旅行・留学関連の会社に勤務する男性は、同僚との英語でのコミュニケーションについて次のように語っている。
僕は英語を(日本で)ちゃんと勉強したことがなかったし、自分の人生の設計のなかに海外に住むなんて最初は考えてもなかったので、まずは英語に慣れるのには苦労しました。
ブリスベンに数年住んでだいぶ慣れてきたんですけれども、オーストラリア人のスタッフとのコミュニケーションは・・・まだまだ、苦労してばかりで・・・。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p186-187)
まず、移住後に最初の関門として立ちはだかるのが、語学(英語)であろう点は、容易に想像出来るところですが、
「覚悟していっても、それでもやっぱり苦労する」というのが、現実であるような。
度合いによっては人の性格それぞれであったり、オーストラリア特有のアクセントへの対応力等、個別要因もあると思いますが、
準備しておいても万全ということはなく、問題が起こったときにどう対処出来るかがポイントとなるでしょう。
体験談について次回も続けます。