移住の理想と現実 ④
” オーストラリアで日本人移住者が働く上での障壁は、言語バリアのみならず、日本とのビジネスの慣習の相違も一定の制約となりえる。
厳格な労働観を要求される日本の企業社会を経験した日本人移住者にとっては、オーストラリアの時間を厳守しない風潮や突然のキャンセルが頻発する傾向などに見られる「緩い労働倫理」は、一種のカルチャー・ショックであり、
移住者の適応過程においてオーストラリア社会への不満を感じさせる要素となっている。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p187-188)
ビジネスの現場に限らず、サービス関連分野でも同様のギャップを感じておられる方々は少なくないでしょう。
語学(英語)に関しては時間の経過とともに上達、場数を踏むことで問題が解消されていく事柄であるのに対して、
今回取り上げた行動に表れる価値観の相違は、慣れの部分もあるでしょうが、日本は日本、オーストラリアはオーストラリア等、割り切れるか否かに大きな分岐点があるようです。