移住の理想と現実 ⑪
” 多くの日本人移住者が程度の差はあるものの差別を経験する一方で、彼らの大半は、オーストラリア社会の雰囲気やそこで得られるバランスの取れた生活に肯定的な印象を持っている。
中でも多くのインタビュイーが、差別の経験を語った後に述べたのは、「それがアジア系だからだったかは分からない」、
「オーストラリア社会に限らずどの社会にも外国人への差別はある」、「日本の方が差別はひどい」などの言葉であった。
これらは、日本人移住者がミクロな差別を日常的経験として経験しつつも、オーストラリアで生きていくために、
その差別に対応するためのポジティブな言説を自分の中で構築するプロセスと捉えることができよう。”(『日本社会を「逃れる」オーストラリアへのライフスタイル移住』p192)
「住めば都」は与えられものではなく、コミュニティに積極参加していくなど自らが主体となり
築き上げていくのが本来の姿と思いますが、どこに行っても自分と合わない人もいれば、合う人もいるという・・ どちらの事実に焦点を合わせるかですね。