竣工85周年を迎えたシドニー・ハーバー・ブリッジ
” 2017年3月19日の今日は、シドニー・ハーバー・ブリッジが竣工開通して以来ちょうど85年めの開通記念日にあたる。ABC放送(電子版)が伝えた。
これまでにこの橋に与えられたあだ名にはコート・ハンガー、鉄の交響楽、空を閉じるアーチ、ザトウクジラなどがある。故英皇太后は、「現代の世界の驚異の一つ」と呼んだと伝えられている。
しかし、85年前の世界大恐慌時代に豪経済を活性化し、失業者に仕事を与えるために計画された9年に及ぶ大工事は「鉄の肺」とも呼ばれた。
当時、この橋梁工事のために1,400人の労働者が雇われ、中には週給4ポンドで働いたとされている。
シドニーの現場だけでなく、南部海岸の町モルヤでは、橋の北と南の塔門建設のために大量の花崗岩を切り出すため、200世帯を越える家族が石切場の仕事に従事した。
また、オーストラリアの他の地域が不景気にあえいでいる時に、ここだけは仕事があった。
NSW州立図書館は、ブリッジ開通85周年を記念して当時の録音や資料を展示している。中には当時の建設労働者にインタビューした貴重な証言もある。
また、国立フィルム音響アーカイブでも、ブリッジ建設と開通時の映像をオンラインで公開している。
ABC・ラジオの番組で、NSW州立図書館のアンニ・タンブル学芸員は、「ハーバーを横断する道路の案は、1815年頃に流刑囚から植民地の建築家になったフランシス・グリーンウェイが考えている。
しかし、橋にするかトンネルにするか、どのような設計にするか、誰が建設費を負担するかなどで決着がつかず、100年が過ぎた。
13,000時間に及ぶデジタル化された録音の一部は図書館の「Bridge Builders」コレクションで聞くことができる。”(出典:日豪プレス)
比較的、歴史の浅い国(連邦設立:1901年1月1日)としては85周年というと重みを感じますが、
オペラハウスとともにハーバー・ブリッジを見るとオーストラリアの示すシンボリックな存在として、齢を重ねていって欲しいと思います。