シドニーの年間人口増加数 初めて10万人を突破
” オーストラリア統計局(ABS)の新データによると、2017年のシドニー首都圏人口増加数が10万人を超えている。
シドニー首都圏の人口増加率が年間10万人を超えたのは歴史上初めて。シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。
その10万人のほとんどが新しい移民の定住で当初はそれぞのの民族の集まる地区、「エスニック・ハブ」に落ち着くが、その後は次第に他の地区にも広がっていく。
シドニー大学のフィル・マクマナス都市環境地理学教授は、「最近の人口増加はシドニー首都圏に集中しており、産業地区や未利用地の再開発への圧力になっているが、
このような土地は限りがあるので人口密度が高まるか、都市スプロール化が進むことになる」と語っている。
2017年のシドニー首都圏人口増加分のうち海外移民は84,700人だったが、シドニー首都圏では移入数よりも移出数の方が大きく、18,100人の純減となっている。
移出数のうち4万人はNSW州内の他の土地に移住しており、また14,400人がメルボルンに移住している。移出の主な原因は生計費の高騰が挙げられている。
また、人口増加地域と人口減少地域があり、首都圏西部のクレイモアやアースキン・パークなどの地域の人口減少は主として世帯の子供が独立して出て行く「エンプティ・ネスト」症候群と説明されている。
ウェスタン・シドニー大学のアワイス・ピラチャ都市計画学准教授は、「パラマッタのような地域はエスニック・ハブになっており、
移民が最初に住み着き、金を貯めてから外に家を買って転居するパターンがある。
また、このデータから、移民が増えるとこれまで住んでいた白人が出て行く『ホワイト・フライト』現象がわずかながら起きていることが分かる。
一方、「移民が交通混雑や雇用の問題を招き、またエスニック・ハブの存在が社会的な結束を阻害するという考えはあくまでもそういう見方が間違っているのであって、現実にはほとんど問題は起きていない」と分析している。
また、オーストラリア国立大学(ANU)の人口統計学者、リズ・アレン博士は、「オーストラリアは海外移民に負っており、
国内の技能労働者不足や、国内労働者が従事したがらない仕事を移民が埋めることになっている」と分析している。”(出典:NICHIGO PRESS)
人口増加は本来、肯定的に受け入れられることであると思いますが、急激であれば歪みも生まれることになり、住宅問題は一例ですが、暮らしの質が高い水準で維持されていきますよう。
また、一概に増えているのではなく、濃淡に、減少に転じているデータも含まれ、今後に対処していく上で、さまざまな示唆を得られることになりそうです。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2018年4月26日分の掲載記事です。
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