小売売上高、2020年3月は前月比8.5%で過去最大の伸び
” オーストラリア連邦統計局が発表した3月の小売売上高は前月比8.5%増加した。
市場予想(8.2%増)を上回り、現行方式で統計を取り始めた1982年以降で最大の伸びとなった。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため外出や経済活動が制限される中、食品やトイレットペーパなどの生活必需品のパニック買いがみられた。
ただ、販売数量よりも価格の上昇が押し上げ要因で、第1・四半期では予想を下回る伸びにとどまった。
品目別で3月は食品の売上高が24%増加、酒類が30%増加した。スープ類が180%増となったほか、小麦粉が140%強、トイレットペーパーは115%それぞれ増加した。在宅勤務が増え関連商品の販売も伸びた。
クオータリー・エコノミー・ワイド・サーベイのディレクター、ベン・ジェームズ氏は「食品、日用品などに、いまだかつてない需要があった」と述べた。
一方、カフェやレストラン、テークアウト料理、衣料、靴、アクセサリーの売り上げは落ちた。
3月の小売売上高は301億豪ドル(193億6,000万ドル)と、2月から23億豪ドル増え過去最高を記録した。ただ、増加の主因は、販売数量でなく販売価格の上昇だ。
1-3月の小売売上高はインフレ調整後の前期比0.7%増と、アナリスト予想の1.7%増を大きく下回った。
価格は1.9%上昇し、2000年の物品サービス税(GST)導入以降で最大の上昇率となった。
ウェストパックのシニアエコノミスト、マシュー・ハッサン氏は「大きなサプライズだったのは、第1・四半期の実質小売売上高が予想より弱かったことだ。
買いだめがけん引した3月の名目売上高の急増は、数量でなく価格によるものだ」と述べた。
結局、第1・四半期の国内総生産(GDP)への寄与は限定的で、第1・四半期はマイナス成長になる可能性がある。
オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は5日、今年上半期のGDPが10%減少するとの見通しを示した。”(出典:REUTERS via Yahoo! JAPAN)
既に「アフターコロナ」との呼称で、新型コロナウイルス収束後の世界への言及、見通しなども論じられていますが、
記事の中でもパニック買いなど一時的な現象と、在宅勤務など今後の傾向を示唆した動きとに分けて考えることが出来るでしょう。