いまだスケールダウンが続く鉱業
” ナショナル・オーストラリア銀(NAB)はこのほど、西オーストラリア(WA)州やクイーンズランド(QLD)州を中心に、今後2年半にわたって国内の鉱物資源産業で、さらに約5万人が削減されるとの見通しを示した。
大規模な液化天然ガス(LNG)プロジェクトの建設フェーズが完了期に近づいていることが背景にある。
同業への投資は今後3年間で現在の水準から約70%減少する可能性があり、資源ブームの減速はまだ底を打っていないという。地元各紙が伝えた。
NABの調べによると、国内鉱業では2004/05~12/13年度に建設関連で12万2,000人、オペレーションで3万4,000人、探査関連で1万3,000人の雇用が創出された後、12年5月~15年2月に5万7,200人が削減された。
分野別の削減人数では、金属鉱物採鉱が1万9,100人と最も多く、炭鉱が1万7,400人で続いた。
NABは、QLD州よりもWA州の方が鉱業投資と雇用の比重が大きいなどの理由から、削減人数は上回ると予想している。
鉱業の投資を表す総固定資本形成(GFCF)の対国内総生産(GDP)比は1.25%と、資源ブーム前の下端まで低下すると見ているものの、鉱業関連の開発制限が緩和され、コモディティ価格が回復すれば上昇する可能性があるという。
一方、非資源産業を中心に今後数年間で1カ月当たり1万8,000人の雇用が創出され、失業率は17年半ばまでに5.5%に低下するとしている。”(出典:NNA.ASIA)
資源バブルの終焉といった認識は2012年頃から定着しているものの、2016年においても底を打っていないことが示されており、
今の時点でも「約70%減」という振れ幅が示されていることは軽い衝撃でしたが、他方では雇用創出の見通しも示され、過渡期であるという見方が出来ると思います。
他業種となるため今回の記事では言及されていませんが、ビクトリア州では2017年、自動車製造業が撤退することになり
州によって内情は異なれども、特定業種に依存している状況もうかがわれ、
この数年は産業なり、それを支える雇用が、スムーズに代替されていくかの正念場を迎えているように感じました。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
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