事業化遠のく東部高速鉄道(HSR)
” オーストラリア連邦政府のフレッチャー大型プロジェクト相はこのほど、ターンブル政権が次期総選挙の公約として検討しているとされたオーストラリア東部の高速鉄道(HSR)について、「優先課題とは言えない」とした上で、多額の資金を投じる計画はないと明言した。
これまでの選挙公約化の見通しから、一転して実現の可能性が遠のいた形だ。新幹線導入に期待する日系企業関係者の間で落胆が広がりそうだ。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が伝えた。
今年4月の時点では、ターンブル政権は7月2日に行われる総選挙に向け、ブリスベンとシドニー、メルボルンを結ぶHSR建設を公約として掲げるとみられていた。
工期約30年の鉄道工事には最大1,140億豪ドル(約8兆7,800億円)の資金が必要との見通しから、ターンブル政権は納税者の負担を軽減するため、民間企業の参画を募る土地開発利益還元(LVC)方式を採用する方針と報じられていた。
だが、フレッチャー大型プロジェクト相は、AFR主催のナショナル・インフラストラクチャー・サミットで、前労働党政権による1,140億豪ドルの建設費用の見積もりは「楽観的すぎた」と指摘。ターンブル政権がHSR建設について公約化することはないと明言した。
同相は、HSR建設の可能性について連邦、州政府の間で協議を重ねたとした上で、30~50年後に人口が増加し、現在よりも財政への負担が小さくなった場合は実現もあり得ると述べている。
野党労働党は、総選挙で政権を奪回した場合、高速鉄道局を創設し、ブリスベンとシドニー、キャンベラ、メルボルンを結ぶHSR建設に関心を持つ企業を公募する考えを示している。”(出典:NNA.ASIA)
主要都市間移動であれば、オーストラリア国内の空をLCC(ローコストキャリア)が飛び回っている状況に
また、政権交代が現実的なお国柄、工期30年に及ぶ公共性を帯びた事業の実現性は、眉唾に感じてしまいますが、
事業に関連して創出される雇用に、空路では実現しづらい細かな街間移動という面では実現が望まれる事業といえるでしょう。
本来は、政権の枠組みを超えて協議されるべきグランドデザインであると思いますが、さて・・
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
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