準備銀行、3会合連続利上げ。住宅市場に打撃も
” オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日の理事会で、政策金利を0.5%引き上げ、1.35%にすると発表した。
利上げは3会合連続で、政策金利は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年6月(1.25%)の水準を超えた。
中銀は金融引き締めで加速するインフレを抑制する。足元の経済は底堅さを維持するが、急ピッチの利上げで住宅市場などを通じた景気の下押し圧力も強まりそうだ。
ロウ総裁は5日の声明で「豪州のインフレ率が政策目標内に戻るように必要なことを行う」と述べ、今後のさらなる利上げを示唆した。
また1~3月期に前年同期比5.1%と約20年ぶりの高水準となった消費者物価指数(CPI)上昇率については、今年後半にピークを迎え23年には安定するとの見方を示した。
豪州ではガソリンなどの自動車燃料や生鮮食品が上昇し、CPIを大きく押し上げている。
中銀が重視するエネルギーや食料品など変動の大きい品目を除く「刈り込み平均値」(コアインフレ率に相当)も1~3月期は同3.7%上昇し、政策目標(2~3%)を上回った。
豪州の5月の失業率は4月と同水準の3.9%と約50年ぶりの低さを維持し、労働市場は引き締まっている。
今後の賃金上昇が期待できる環境も利上げに積極的な中銀の姿勢を下支えしている。
足元で豪経済は堅調さを維持している。新型コロナのデルタ型を受けたロックダウン(都市封鎖)で実質国内総生産(GDP)がマイナス成長となった21年7~9月期を最後に、個人消費がけん引する形で同年10~12月期、22年1~3月期はそれぞれ前期比3.6%増、0.8%増となった。
豪金融大手ウエストパックグループは23年4~6月期まで豪経済がプラス成長を維持するとの予測を出している。
ただ中銀が利上げを続ければ住宅ローン金利も上昇し、住宅価格が急激に下落するリスクが残る。
住宅情報会社コアロジックによると、6月の豪住宅価格は前月比0.6%下落した。
大都市の下落幅が大きくシドニーは同1.6%減、メルボルンも1.1%減となった。インフレが進む中で住宅価格の下落が続けば、逆資産効果で消費心理を冷え込ませ経済を下押しする懸念が残る。”(出典:日本経済新聞)
オーストラリアだけではないかもしれませんが、利上げに絡んだニュースを目にする機会が多く、記事にある通り、相次いだ利上げによる各所での影響を注視していく必要がありますね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2022年7月7日分の掲載記事です。
オーストラリアにご興味をお持ちの方、Facebookページへの「いいね!」を是非宜しくお願い致します。