オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:失業率 − 2023年6月

失業率 − 2023年6月

” 豪政府統計局(ABS)が20日に発表した2023年6月の失業率(季節調整値)は、3.5%と前月(修正値)から横ばいだった。

労働市場逼迫と移民流入の回復による人口増加を背景に、就業者の増加分が失業者の増加分の約3倍となった。

また就業者は、新型コロナウイルスの感染流行が始まった2020年3月より前と比べて100万人以上増えた。

雇用は予想以上に強く、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)が8月の金融政策会合で政策金利を4.1%から引き上げる観測が強まっている。

失業率は、昨年6月から3.5~3.7%の範囲を上下している。

男女別の失業率は、男性は前月から横ばいの3.6%、女性は0.1ポイント下落で3.4%だった。

失業者数は前月比1万900人減少し、50万4,400人だった。このうち、フルタイム求職者は2万2,100人減の32万8,000人、パートタイム求職者は1万1,300人増の17万6,400人だった。

就業者数は3万2,600人増と市場予想を上回り、1,404万6,100人となった。フルタイム就業者は3万9,300人増の986万8,900人で、パートタイム就業者は6,700人減の417万7,100人だった。

総労働時間は600万時間増の19億4,700万時間。労働参加率は0.1ポイント下落の66.8%だった。希望する就労時間が得られない不完全就業者の比率は横ばいで6.4%だった。

■NSW州、45年ぶりの低水準

州別の失業率で前月から改善した州は、◇ニューサウスウェールズ(NSW)州 ◇クイーンズランド州 ◇西オーストラリア州 ◇タスマニア州――だった。NSW州の失業率は2.9%で、45年ぶりに3%を下回る低水準となった。

一方、悪化したのは、◇南オーストラリア州 ◇北部準州(NT)◇首都圏特別区(ACT)――となった。ビクトリア州は3.7%で横ばいだった。

■労働逼迫、緩和の兆候?

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストは、経済活動の減速などを背景に就業者や総労働時間の増加幅は今後数カ月に縮小すると予想。

不完全就業率の状況などを考慮すれば、労働逼迫が緩和する兆候が見え始めているとした。

英コンサルティング会社オックスフォード・エコノミクスは、堅調な労働市場は賃金とインフレに上昇圧力をかけていると指摘。

RBAはインフレの上振れを見過ごせないとし、今後数カ月間に2回以上の利上げに踏み切ると予想した。”(出典:NNA ASIA

州によって多少悪化に振れたところはあれど、全体としては好意的に受け止められるトレンドといえるでしょう。

上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2023年7月22日分の掲載記事です。

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