格付け、財政大赤字でもトリプルA維持
” オーストラリアのフライデンバーグ財務相による23日の連邦財政報告を受け、米大手格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pグローバルが、連邦政府の格付け見通しをトリプルAで維持したことが分かった。
記録的な赤字が発表されたにも関わらず格下げされなかった背景には、2020/21年度(6月期)以降に景気後退からの復興が見込まれていることがあるようだ。
また財界は、負債を増やしながらも景気刺激策を推し進める政府の方針を支持している。地元各紙が伝えた。
同財務相の発表では、19/20年度の赤字が858億豪ドル(約6兆4,710億円)、20/21年度は1,845億豪ドルに達すると予測されている。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、格付け見通しをトリプルAの「安定的」としており、S&PはトリプルAの「ネガティブ」としている。
S&Pは「財政バランスは、20/21年度の大幅赤字を通り過ぎれば、向こう数年間で改善すると予想される。また、連邦政府は今後も財政規律を保つとみられる」と評価した。
■「景気刺激策続けるほかない」
建材メーカー大手ブリックワークスのパートリッジ社長は「失業率を最低限に抑えることは、連邦政府の最も重要な仕事だ」とし、政府は負債を増やし景気刺激策を続けるほか選択肢はないと述べた。
小売り大手ウールワースのバンダッチ最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルスの流行による経済危機の中、政府は市民と経済を支援するため必要なことを行っている」とした。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のマクイーワンCEOは「政府の経済政策は理にかなっている」と評価した。”(出典:NNA ASIA)
国際的に信頼性を置かれている格付け会社から復興需要を見越しての高評価を得られたことは、財政の舵取りを行う側としては一つ背中を押されたことになるでしょう。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2020年7月28日分の掲載記事です。
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