雇用市場、求人と広告件数の相関性に崩れ
” オーストラリアでは、求人数は増えている一方で、求人広告件数の減少が続いていることが、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の報告書で明らかになった。
求人広告件数が雇用市場の指標とされていた現状に変化が表れているようだ。7月31日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
同報告書によれば、昨年5月から、求人広告件数と実際の求人事情の相関関係が崩れているという。
同行の求人広告指数は5.6%低下している一方で、実際の求人数は3%増えている。
ANZは、最近は広告での求人が効果的な雇用につながらないことから、
雇用主がソーシャルメディアや知人からの紹介を利用しているためと考えられると分析している。
また、雇用主は、広告を出して応募を待つより、リクルーターやビジネス向けの会員制交流サイト(SNS)リンクトインなどを利用して、
自ら人材を発掘する形態に移行しつつあることがうかがえるという。
ただし、国内で人材が見つからない場合に技能ビザを通じて外国人を雇う例もあるとしている。
ANZのシニア・エコノミスト、バーチ氏は、「広告件数で雇用市場を評価することはもはや効果的ではないかもしれない。
広告にコストをかけて求人しても必要な人材が得られなければ、広告を出し続ける意味がない」と述べた。
豪政府統計局(ABS)によれば、昨年の求人に対する雇用割合は、建設業界でわずか44%、エンジニアリングで59%と、企業が求める人材が見つからない状況があらわになっている。
また、雇用につながった件数に、知人の紹介や欲しい人材に直接アプローチをする例が占めた割合は、前年比6ポイント上昇の32%だった。”(出典: NNA ASIA)
ポイントは求人件数増で、広告件数減は業界内で論じられるべきことと考えましたが、応募者側のSNS対策など新たなニーズが発生している側面も読み取れます。