新労働協約賃上率、労働者の半数3%超
” 今年に入って新たな労働協約を締結した企業の労働者の約半数に上る15万人が3%以上の賃上げを獲得していることが、オーストラリア司法省が発表した統計の分析によって分かった。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
今年第1四半期(1~3月)に締結された労働協約の賃上げ率は、民間部門が昨年第4四半期(10~12月)の3%から2.9%に、公共部門が2.7%から2.4%にそれぞれ低下した。
だが、1~3月の統計からは、新たに締結された労働協約の約3分の1が「定量化できない」という理由から除外されている。
除外された労働協約は同期に労働協約を締結した労働者の45.5%をカバーしている。
労働協約の賃上げ率の多くは、労使裁定機関フェアワーク委員会(FWC)が決定した最低賃金の上昇率3%にリンクしているが、
除外された労働協約の中には、例えばウエストパック銀行が従業員3万人と結んだものも含まれている。
同行の賃上げ率は、年収が8万2,500豪ドル(約592万円)を下回る場合は3.25%と最低賃金を上回っている。
ただ、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストのバーチ氏は、賃上げ率の過去半年間の減速傾向は変わらないと述べている。
賃金上昇率が3%を上回った企業が全体に占める割合は前四半期の14%から29%に上昇したが、昨年第3四半期(7~9月)の48%は下回っている。
最も賃金上昇率が高かったのは建設業界だが、上昇率は過去3四半期の5.9%から3.7%に低下している。”(出典:NNA ASIA)
物価とのバランスで、賃上げとそれが繰り返されていくことが指摘されており、本記事の内容は肯定的に受け取れますが、
後段で今後についての懸念も示され、高止まりを続ける物価の問題など、賃上げ以外の切り込みも求められているものと。