フランシス・アダムソン次官 次世代通信規格「5G」選定の舞台裏に言及
” オーストラリア外務貿易省の事務方トップであるフランシス・アダムソン次官は東京都内で日本経済新聞のインタビューに応じた。
豪政府が次世代通信規格「5G」のネットワークから華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)など中国の通信機器メーカーを締め出したことに絡み
「重要な基幹インフラを守ることは政府の責務だ」と述べ、国益に基づく判断だと強調した。
アダムソン氏は今回の措置が「5Gに限定した注意深く客観的な検討に基づく」として「5Gがもたらす新たな技術革新の波は、3Gや4Gとは決定的に違う」と語った。
5Gは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や自動運転、スマートシティーなどを可能にする通信技術。
「電気や水道などのインフラがネットワークでつながり、システムを守るには従来とは違う対応が必要だ」と強調した。
豪政府は8月、5G導入に関する通信事業者向け指針で「豪州の法律に反し、外国政府の指示に従う可能性のある企業」が5Gに関与することを禁じた。
こうした企業の製品やサービスを導入すると「5Gネットワークを不正アクセスや干渉から適切に守れないリスクがある」と指摘。
名指しは避けたもののファーウェイやZTEなどを事実上排除した。
アダムソン氏は指針について「中国当局とも協議した」といい「客観的な基準に基づいており、特定の国を対象としていないことを確認した」という。
ただ中国は反発しており、豪州最大の貿易相手国である中国との関係を悪化させるリスクをはらむ。
2011~15年に女性初の中国大使を務めたアダムソン氏は、豪中関係を「強化し、深化させたい」としながらも「どんな国も(外交で)どうバランスをとるのか独自の判断を下す必要がある」と明言した。
アダムソン氏は「技術や評価について各国の関係機関と情報を交換している。
日本のように5G技術で先行する国とも話をしている」と述べ、サイバーセキュリティーなどの課題を巡って日本を含む各国と情報を共有しているとした。
日豪など11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)が12月30日に発効するのを控え、アダムソン氏は「新たなフロンティアを開くものだ」と期待を表明した。
米中の貿易戦争を念頭に「保護主義に傾く世界の国々に対し、我々は範を示せる。
成長や雇用、生活の質の向上は貿易自由化によってもたらされることを明確に示したい」と話した。
「モノだけでなくサービスやEコマースなどの分野でも高い水準で自由化が進む」と評価し「TPP11の拡大を望んでいる」と述べた。
「日豪はインド太平洋地域が貿易を通じて繁栄する重要性を非常によく理解している」とも語り、価値観を共有する日本と連携し、地域の安定に貢献したいと述べた。”(出典:日本経済新聞)
本件が日本で広く知られることになる前から、
スタンスを明確にしていた☝️オーストラリアですが、技術革新は永続的に進んでいくことになるでしょうから、今後もさまざまな局面で水面下に表に駆け引きがありそうです。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2018年12月25日分の掲載記事です。
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