橘玲さんが監訳を務められた『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』を読み始めて
全6章あるうちの第3章までを読み終えたので、そこまでのおさらい。
数多まかり通る成功法則の実態
本書を開いて最初の監訳者序文に、
“日本にも「幸福になれる」とか「人生うまくいく」とかの本はたくさんあるが、そのほとんどは二つのパターンに分類できる。
① 著者の個人的な体験から、「わたしはこうやって成功した(お金持ちになった)のだから、同じようにやればいい」と説く本
② 歴史や哲学、あるいは宗教などを根拠に、「お釈迦さま(イエスでもアッラーでもいい)はこういっている」とか、「こんなとき織田信長(豊臣秀吉でも徳川家康でもいい)はこう決断した」とか説く本
じつはこれらの本には、ひとつの共通点がある。それは証拠(エビデンス)がないことだ。
・・中略・・
この本は、これまでいろんな自己啓発本を読んできて、「ぜんぶもっともらしいけど、どれが正しいかわからないよ」と思ったひとにまさにぴったりだ。
それだけでなく、「自己啓発本なんて、どうせうさんくさいでしょ」と思っているひとにもお勧めできる。
なぜならすべての主張が、エビデンスまで辿ってその真偽を自分で確認できるようになっているから。”(p4-5)
に、
” 本当のところ、実社会で成功を生みだす要素はいったい何なのか。
それを掘り下げるのが本書だ。成功とは、たんに財を成すだけでなく、人生全般での成功、幸福を意味する。
仕事での成功であれ、個人的な目標であれ、それらを成し遂げる鍵になるのは、どんな態度や行動なのか。
巷には、成功の一面だけを取りあげた本、あるいは実践的アドバイスなしに昨今の成功理論だけを紹介した本が溢れている。
本書では、まず実際に使える理論を見きわめ、次に、あなたが目指すところに行くための具体的な方策を学ぶ。”(p16)
というのが、本書の性格(特徴)。
裏付けから質す成功法則
今まで読んだ感じでは、ドキッとさせられるタイトルとは裏腹に、
” 仕事人生(さまざまな職種、多様な業界、ありとあらゆるキャリアに及ぶ)で成功するには、「自分を知る」の一言に尽きる。
とくに、自分が望むことを人生で成し遂げるためには、何よりも自分の強みを知ることだ、と。”(p45-46)
&
” 自分をよく知り、正しい「池」を選択する。すなわち、自分なりの強みを見きわめ、それを最大限に活用できる場所を見つけるのである。”(p49)
ということに、
” 嫌なヤツが出世したり、裕福になることは数多くのデータによって示されているものの、彼らは、必ずしも人生を楽しんでいない。
ところが、道徳的な人びとは幸福度が高いことが調査で裏づけられている。
かなりの不正行為をしても平気な人より、社会道徳を重んじる人のほうが、人生に対する満足度が高かった。
その幸福度の上昇分は、たとえば、収入の若干の増加、結婚、教会に必ず行くことなどから得られる満足感に相当した。”(p71)
或いは
” 人は毎日、約二〇〇〇の小さなストーリーを自分につぶやいているとの調査結果もある。”(p108)
” 詰まるところは、私たちが自分に語りかける言葉が肝心だ。
ある人は「私はこれに向いていない」とか「こういうことは昔から苦手だったんだ」と言う。
しかしほかの者は、「これはどうしてもやり続けなきゃ」とか「ちょっとしたコツがわかれば大丈夫さ」と自分を励ます。
ほとんど場面で(スーパーマンのように空を飛ぶのは論外として)、この四つのどれかが当てはまるだろう。だが、通常このうちのどれを選びやすいかや、あまり好ましくない言葉をつぶやいてしまう頻度は人によって異なる。”(p100)
” ストーリーが私たちの思考を支配し、多方面での成功を予言することを示した事例には事欠かない。”(p110)
著者エリック・バーカーから読者へのエール
など、読んでいて背中を押される内容が多く、原文が日本語で書かれていない小骨が刺さる(ような)感じはあるものの
既に付箋箇所多数で、
本の後半も楽しみです ^^