ここ数年で、街中から消え去りつつあるものの中に本屋さん、書店があると思いますが、
年末年始でオフィス街で相次いで(書店の)閉店を目の当たりにして、
「こういった立地でも、もう(書店は)成り立たなくなっているのかぁ」と、今一度軽い衝撃を。
中小店が淘汰される時代
幕を下ろした店舗は何れも書店としては中途半端な規模(100坪以下)で、品揃えに限りがあったでしょうが、
近隣に競合性の高い店舗が出店していたということもなく、すぐに後継テナントの入居準備が進めれている状況でもないことから
書店という業態が、また終わりに近付いているということなのでしょう。
統計では、1999年から2015年5月1日までの店舗数(上記)が40%減。方や1店舗当たりの面積(下記)は上昇、
売上高も同様と思われます。
変わりゆくオフィス街の商業ゾーン
オフィス街で成立する業種というと飲食店、オフィスサポート、コンビニエンスストアなど限られるとはいえ、
「あると便利」といった中に「書店」があり、実際、昼食休憩時のついでに、或いは業務に関連した調べごとでといったニーズは今でもあると思います。
相当部分、インターネットが代替し、購入が前提であれば、amazonをはじめとするECサイトで即日入手することも可能で
消費者との思惑とは裏腹に陳列、在庫スペースに限りある店舗では、様々な事業内容の企業の要望に対して応えていくことは自ずと限界がある(あった)のでしょう。
見出せるか、電子書籍の対立軸
私個人もkindle登場以降、(それ以前は失望していましたが)
タイトルの充実と価格が紙に比べて廉価である場合など、タブレット端末に魅力を感じて利用シーンが高まっています。
ふらっと立ち寄ったカフェなどでWiFi環境が整っていれば、喉を潤しながら、タブレット端末が書店機能を果たすことになり、もうこの流れは不可避といえるでしょう。
タイトルの多くは「サンプル」を容易に入手でき、立ち読みも出来るようになっています。
それでも書店にふらっと立ち寄って、視界に飛び込んできた本を手に取りパラパラっとめくってみるといった予期せぬ出会いに実店舗ならではの魅力を感じています。
幸い近隣に大型書店の出店があるため、時折そのような感覚、(本との)出会いに恵まれていますが、
そういった行為、感覚にノスタルジーを感じる時代が来てしまうかもしれません・・。
但し、この事は後向きなことばかりではなく、世の中、社会が便利になれば新しい本との出会いの在りようもこれから提示される、のかもしれません。
また、我々、利用者=読者の立場では本を読む行為そのものに稀少性が指摘される時代になっており、
昨年(2015年)バカ売れしたとの藤原和博さんの (上記)著書でその背景と戦略について言及されていますが、
個人レベルでは利用シーンの変化はありながらも面白い時代といえますね。