先週、読み始め記 ⬇︎
をアップロードした近田春夫さんの『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』を読了。
気づかず接していた近田春夫作品の数々
その(読み始め記)後、読み進めた中、後半には
” 翌81年の元日には、俺が作詞作曲を手がけたザ・ぼんちの「恋のぼんちシート」(作詞・作曲/近田春夫)がリリースされ、80万枚の大ヒットを記録した。
・・・と同時に、盗作をめぐる騒動でも世間を賑わせることになった。”(p144)
という「あの曲そう(=近田春夫さんの曲)だったのかぁ」という大昔からあった近田春夫さんとの接点に、
” その前年に公開された『クラッシュ・グループ』という映画だった。
ヒップホップを代表するレーベル、デフ・ジャムの黎明期を題材としたこの映画がとにかくカッコよくてさ。
LL・クール・J、ランDMC、そしてシーラ・Eなんかが本人役として出てるんだ。”(p195)
という、わたし的に近田春夫さんのイメージの強いヒップホップとの出会いに、
” 日本でのCM音楽の作曲数において、俺は小林亜星、キダ・タローに次ぐ3位にランクされるという話があるのよ。
正確な統計的根拠のない俗説なんだけど、確かにそのぐらい書いてたかなという実感はある。
一番多い時は、月に5本ぐらいは作ってたからね。”(p249)
と、近田春夫さんのキャリアの一つを支えるCM音楽制作時の舞台裏等々、
” 繰り返し言うけど、俺、どんなジャンルでも、いったん仕組みを把握するとあとは飽きるだけなのよ。”(p236)
と、ご自身を分析されている通りジャンルにとらわれずに多方面で活躍されてきただけに、
近田春夫さん個人史にとどまらず、
” 読者にとって、この本の読みどころとはどこなのか、何なのか?
敢えて上から目線で申せば、それは結局、私というものを通じて、この国の音楽/芸能のシーンを「袖で見る」醍醐味を味わうことが出来る。これに尽きると私は思っている。”(p322)
と「あとがき」に記されている通り、日本の音楽シーンの資料的価値の高さも感じられます。
音楽界で才覚を発揮した人物伝としての読み応え
振り返れば、本書を手に取るきっかけには
一昨年(2019年)に参加したトークイベントが ↖️ 根幹にありましたが、その時の復習を兼ねつつ、
より深い近田春夫さんの世界観の断片を見せられたような、半世紀を越え音楽界に君臨した人物伝読み物として堪能させて頂いた一冊でした ^^