くりぃむしちゅー 上田晋也さんの
” 17年か18年ぶりに文章を書いた。というのも、新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言中に50歳になり、ふと40代の10年間を振り返ってみると、この10年間一度も文章を書いていなかったことに気付いた。
文字を覚えて文章を書かなかった10年間などなかった。コレは由々しき事態だ、と思い、どうせなら文章を書かなかった40代に経験したことに絞って綴ってみた。”(p3)
との「前書」に始まるエッセイ集『経験 この10年くらいのこと』を読了。
サイン本が書店に流通していることを知り、「どこか出ないかなー」と待ち構えていたところ
情報に即応して、滑り込みといった感じで入手叶った著書(=サイン本)。
抜群の露出度、かと思いきや・・
TVではニュース、ドキュメンタリー、スポーツ番組視聴に偏る自分ながら上田晋也さんがTVに出まくっている超売れっ子であることを承知しているものの
カメラのないところで
ときに上田アニの芸名でタレント活動もされているとの実兄に
“「もう制作の仕事に集中してさ、タレント活動っぽいのはやめたら?正直東京の番組に来るのも面倒臭いし」”(p142)
という会話を交わした後、
” ところが、そんな私の存在ありきの「上田アニ」と私が、熊本で一緒に行動していると、「アニ」のほうは気付かれるが、私は気付かれない、という珍現象が頻繁に起きる。”(p142)
と、本書で散見された顔バレしないまさか!トホホな日常に、
” 30年近く前から常々思っていることがある。この世の中、圧倒的にボケの人間が多い ー と。
・・中略・・
突っ込み目線の人がだいぶ増えたようには思うが、それでも今も6割5分くらいはボケの人だと思う。65パーセント対35パーセント、30パーセントの差は実に大きい。
・・中略・・
さて、ではなぜ、このように突っ込みの人間より、ボケの人間のほうが多いのであろうか?
私は、その元凶は昔話にあると考えている。”(p97)
との見立てによって展開される昔話紙上突っ込みに ^〜^;
一時結婚まで考えた元カノと予期せぬ再会を果たすも、全然気づけず友人の指摘で記憶を呼び起こされたといった加齢ネタに・・
日常でも突っ込み役であった上田晋也さんらしさを感じる部分もありましたが、大きくはイメージを覆されたり、身近さを感じさせられるなど、ギャップを楽しめたエッセイ集でした。
さぞ充実、かと思いきや・・
お笑い芸人の方のエッセイは、直近では⬇︎
オリエンタルラジオ 藤森慎吾さんなど、結構読んでいる感覚で、
本書では、ご家庭でのお子さんたちとのほのぼのさせられる(お笑い芸人の才覚を幼少の頃から発揮する長女さんほか)内容に、
奥様のご両親も含めたニュージーランド旅行に、えなりかずきさんら芸能界の方々とのプライベート旅行等々、
他の芸人さんとの比較で、リア充ぶりが伝わってきたかと思いきや・・
締めの「後書」で
” 相変わらずのことも、相変わらずではないことも、毎日いろいろ起こるが、この本を書き終えて、一つ気付いた。仮に10個の出来事があったとして、9個は嫌なことや辛いこと。”(p268)
と最後の最後で意外な吐露もあり、「そんなものなのかなー」と読後感は真っ直ぐではないですが、
多くの方々にとって上田晋也さんのイメージを書き換えられたり、等身大の人がら伝わってくる著書であるように思います ^^