カンニング竹山さんが、福島県内に20回現地入りしたことを通じて上梓された
『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねえかよ!』を読了.-
書店に「何か、出てるかな・・」と立ち寄った際サイン本の販売を見つけ、また、福島の現状に承知していなかったことから
「日本人としては知っておくべきであろう」との使命感も刺激され購入。
福島について知らされる先入観、偏見・・
本書は、
” この本は全く福島県に興味がない方々でも楽に簡単に読めるように制作しよう、かつその中でも取材等々をした中から、正しい情報を載せよう、嘘はやめよう、正直に丁寧に作り上げよう!と決めました。
ですので今の東京電力福島第一原子力発電所の現状も取材し始めて訪問した2年半前とどう変わったか、今後どうなって行くのかなどもなるべく分かりやすく載せております。”(p8)
というコンセプトのもと、フィールドワークが土台となって文字に読みやすくまとめられています。
具体的にどのようなことが書かれているのかというと・・
“メディアなんかで「フクシマ」と書かれていると、本当に腹た立ちますし、「元気になった福島の街を実際に見てから言え!」って。”(p36)
という誤解にもとづく怒りに、
” ぼくは「支援」とか「被災者」って言葉を使うのが嫌なんですが、地元の人のなかにも「被災地、被災者って言ってくれるな」とか
「俺たちは普通なんだ」「支援だとか “福島のために” とか、もうやめてくれ」と言っている人もたくさんいて “(p46)
という現地の方の声に、
一方で、収録されている対談の中で
” 竹山 震災が起きて何が一番変わった?
白石 こうして異業種がいっしょになって、「なんかやろう」「福島の食材をアピールしよう」って感じになったことですかね。”(p149/註:白石長利さん いわき市内の8代目農家)
という光明も知らされます。
圧巻量のオススメスポット
また、特徴的なのが、カンニング竹山さんが福島県内で訪れた場所をオススメとしてまとめた福島社会科見学の章。
Vol. 1 と Vol. 2 に分かれ、リカちゃんキャッスルにUFOふれあい館から
” 『伊達屋』さんの塩ラーメンを食うためだけに新幹線に乗って行く価値があります!”(p114)
という熱烈推奨のラーメン店に至るまで、「こんなにあるの!?」と感じさせられるほどの分量で観光ガイド的な使い方も十分に。
強く感じた「前向きな」福島
一冊読んで実感させられたのは、思っていたよりも前向きに震災前を取り戻している福島の現在地。
ニュース番組等を介すと政治的な側面であったり、重い切り口にならざる得ない面がどうしても伝わってきてしまいますが、
” そもそもが東北とは正反対にある九州は福島の生まれ、仙台ならまだしも、福島じゃないですか?”
失礼ですけど、まったく眼中になかったですし、原発があることすら知らなかったし、自分から「知ろう」という気もなかったです。”(p20)
という出発点から
” 最初はTBSのラジオ番組で現地に入りまして、そこからですね。”(p169)
と東日本大震災を契機に福島に目覚めたカンニング竹山さんの福島愛に溢れる一冊となっていて
平易で分かりやすい文章で、福島の今が分かる一冊です。