たけし軍団でお馴染みお笑いタレントダンカンさんの『ダンカンの企画書』を読了。
(2021年)7月に購入した本を読んでいる最中、9月に買ったばかりの本をさっそく手に取ったのは・・ ↓
「生」企画書プレゼント企画 に参戦すべく ^^
購入は、サイン本入手情報を目にして
即反応していた経緯。
視覚を含め簡潔明瞭な企画書
本書は
ダンカンの証言
第1章 『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』の企画書
テリー伊藤の証言
第2章 『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の企画書
そーたにの証言
第3章 その他の番組の企画書
水道橋博士の証言
第4章 ダンカンのメモ帳
あとがき
という章立て(項目)で、タイトルにある通りダンカンさん手書きの企画書主体の構成。
例えば『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の
” ある日 元気が出る商事に一通の手紙が届いた。”(p179)
の一文で始まる企画書には「そうそう、あのナレーション」と、お決まりのフレーズで呼び起こされる当時の雰囲気に、
企画内容の時代性に、本書に詰まっている空気も「あの頃、80年代だなぁ〜」と。
印象的であったのは、TV番組の企画書を見るのも初めてでしたが、書き方が特徴的で、
『風雲!たけし城』は、「イラスト」+「内容・ルール等」+「見どころ」+「備考」と簡潔明瞭。テリー伊藤さんによると
” 最初に企画書を見たとき目に入ったのは、やっぱりあの独特な字ですよね。おもしろい作家はみんな丸文字。
ダンカンに限らず、字でだいたいおもしろいやつはわかりますよ。それからダンカンの企画書は絵が入っていて楽しいし、わかりやすい。こいつすごいな、天才だなと思いました。”(p36)
ダンカンさんと共に知恵を絞った間柄の放送作家そーたにさんは、
” ダンカンさんの絵心をマネするのは僕にはムリでしたけれども、この手書きの味のある丸文字のほうが企画がおもしろく見えるぞ!と。”(p199)
ビジネスの場など、なかなか書類を手書きすることはなくなってしまいましたが、自分でアイディアをまとめる前段階などではイラスト書きに字体も意識してみようか?と考えさせられた次第。
笑いを起こすべく尋常ならざる熱量
また、ダンカンさんの企画へ向けた熱量も尋常ではなく、付き人として行動を共にしていた水道橋博士によると、
” その当時のダンカンさんがやってた番組の本数を考えたらそれはもう、本当に寝る暇なんかないですよ。
『たけし城』『元気が出るテレビ』『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』、『ビートたけしの全日本お笑い研究所』『OH!たけし』、『北野ファンクラブ』・・・。
だけど息を吐くかのように無限にネタを書いていくわけ。『OH!たけし』をはじめ、その頃のたけしさんのコント、ほとんどダンカンさんが書いていたもの。”(p234-235/括弧書き省略)
更に、
” ダンカンさんの何がすごいって、あのスケジュールで草野球100試合やって、阪神のペナントレースも今も年間130試合見て全部自分でスコアを付けてんだよ。”(p235)
という!ダンカンさん自身「あとがき」で
” いやー書いた。バラエティー番組に出演している間にも書きなぐった。時に1日睡眠時間30分で、気が付いたらテレビ朝日の廊下に倒れて眠っていたことがあるくらい書いたし “(p259)
と、好きなこと各方面に誠心誠意没頭された日々を振り返られています。
本書は、TVが最も影響力を持っていてハチャメチャ出来た頃の舞台裏に、その源泉に迫れることの出来る貴重な資料集であろうと。
『元気が出るテレビ!!』が世に出るまでの軌跡
奇しくも今月、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の演出上/映像化の舞台裏を ↓
テリー伊藤さん&水道橋博士ら登壇のトークイベントでうかがい知ることが出来、面白さへの並々ならぬ執着のようなものを感じていましたが、
本書は、更にその前段階を垣間見られたことで、私にとって意義深い企画書集&証言録でありました〜