城田真琴さんが紐解く、amazonが描く近未来と競合が対amazonで奏功した取り組み:『デス・バイ・アマゾン テクノロジーが変える流通の未来』読了

(大手シンクタンク上級研究員)城田真琴さんが、

” 本書では、拡大し続けるアマゾンの戦略とアマゾンに対抗する企業の戦略を読み解きながら、

アマゾンに殺されずに生き残るための方策を考えていく。”(位置No.166/電子書籍のページ数)

という主題で上梓された『デス・バイ・アマゾン  テクノロジーが変える流通の未来』を読了.-

先日読了した『amazon  世界最先端の戦略がわかる』が、

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(主として)amazon 360° といった内容であったのに対して、本書でもamazonの動向は抑えられながらも、

” かつて4,000店以上存在した米国の独立系の書店は、2010年には1,400店にまで減少するなど、この20年余り激減した。

この数年は、地域コミュニティへの関わりを重視し、サイン会や子供への読み聞かせなど、さまざまな催しを開催することで、増加傾向に転じている “(位置 No.116)

と、amazon軸に進化、変貌を遂げていっている流通/小売業界の競合他社の各分野(業態)での取り組み、成功例などが紹介されています。

amazonによって窮地に陥る流通の巨人たち

まず、本書のタイトル『デス・バイ・アマゾン』が意味するところは

“「アマゾンの台頭によって窮地に陥るであろう上場企業銘柄の株価を指数化したもの」である。

・・中略・・

このインデックスは、アマゾンの躍進で業績の悪化が見込まれる小売関連企業54社で構成されている。”(位置No.85/93)

と、Walmart:ウォルマートを筆頭に、ずらっと名だたる企業がリストアップされ、

図表 0-1 Death By Amazonの採用銘柄(位置No.99)

” これらの企業に共通するのは、収益の大半をリアル店舗から得ており、販売している商品は自社のオリジナル商品ではなく、他社の商品が中心という点である。”(位置No.100)

という現実が加速する中、

” リアル店舗を主戦場にしてきた既存の小売業者が生き残りのキーワードに挙げるのが、「ショッピング・エクスピリエンス(購買体験)だ。」

ほとんどの商品がアマゾンを筆頭とするECで買える時代になった今、既存の小売業者は、顧客がすすんでリアル店舗に足を運ぶ動機を作り出さなければならない。”(位置 No.849)

” ポイントは、アマゾンと真正面から戦わずに、少しでも何かをずらし、アマゾンの持つ強みを発揮させないようにすることである。”(位置No.2257)

” ポイントになるのは、「圧倒的な商品力」「カスタマイズ&パーソナライズ」「痒いところに手が届くサービスの提供」といった点である。”(位置No.2265)

と、AppleThe Home Depot:ホーム・デポなど「アマゾン・サバイバー」とカテゴライズされる企業の具体的取り組みから、対amazonの突破口が示されているのが、特長です。

進化と、キャッチアップと

読後感としては、amazonと先鋭的な取り組みで成果を出している流通企業の動きをフォロー出来て興味深かったです。

アメリカで起こったことが、時間差で日本でも起きる感覚(実感)を有しており、

実際、amazonがやろうとしていることは国境をボーダーレス化する、地域間格差を無くしていくことで、

年を追うごとに本書で書かれてあることの現実感が高まっていくものと予想しますが、

恐らくそのスピードは自分が想像している以上なのではないかと、消費者としては興味津々ですが、

amazonの動きがダイナミック、想像の枠の外側であることも目白押しで、

流通に携わる部分への取り組みは絶えざるアップデートを求められていくものと、襟を正される思いも・・


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