ジョン・ディマティーニ博士の著作『成功のタイムリミット』読了後のおさらい編の続き。
10回目となる今回は、真実の法則、極性の法則、現実的な期待の法則の三編から、何れも抜粋です。
真実の法則
” たいていの人が明らかに嘘だということも信じていて、その人数の多さに驚かされます。幻想には、次のようなものがあります。
- 私は、いつでもハッピーでいなければなりません
- 私は、悲しむべきではありません
- 私は、いつでも称賛されるはずで、批判されることなどありえません
たくさんの人たちが、こうした嘘を信じていて、幻想の世界を妄想しています。これらは、少し厳密に考えてみれば、ありえない期待だということに気がつきます。
実際のところ、誰もそのような世界を生きていません。本当のところは、誰もが幸せと悲しみを経験し、またすべての人が親切で意地悪で、愉快で不愉快で ーつまり、すべての人は、両面をもっているのです。
あなたが、この根本的な事実を否定していると、いずれ大きな落胆や失望、失敗したという感覚を味わうことになります。
実際のところ、傷ついた心の正体は、神話や幻想が壊れた、というだけのことです。人は、別の人に対して、現実にはありえない一面的な生き方をしてほしいと望みます。
その人に、わずらわしい存在にはなってほしくないと思うのです。一面的な見方をするのは、賢明ではありません。
知覚認識は、磁石のようなものなのです。N極とS極の、どちらか片方の極しかもたない磁石はありません。
磁石をどのように切りわけたとしても、必ずN極とS極ができるように、知覚にも、ポジティブとネガティブの両極ができるのです。
磁石と同じように、すべての人に両面があるのです ー あなたが片面だけを期待していても、必ず両面を経験することになります。
私が精神的に落ち込んだ人たちと一緒に働くとき、あることに気づきます。
精神的落ち込みの根源は、彼らが実際にはできない、一面的な、理想どおりの生き方が可能だと考えているところにあります。
そして、一面的な生き方ができないことを過ちだとして、自分自身を厳しく責めてしまうのです。
ブッタが言うように、達成不可能なことを望むことが、人の苦悩の原因です。
幻想を消滅させて、真実に向き合ってください。すべての物事には両面があるのです。
支援と試練、ポジティブとネガティブ、協力と対立といった、両極を受け入れることが、あなたの人生を充実したものにしてくれます。
私たちは誰一人として、片面だけを生きることはできないのです。感謝しながら、愛の中で成長していきましょう。”(p198-200)
極性の法則
” もしかしたらあなたは、いままでに1冊はポジティブ思考の本を読んだことがあり、人生をポジティブに生きようと思ったことがあるかもしれません。
しかし、ポジティブ思考でいようとすればするほど、ネガティブな自分が顔を出しました。
いつでもいいところだけを見ていようとするのですが、やはり落ち込むのです。
「なぜいつも、ポジティブでいられないのか?」私はずっと、疑問に思っていました。
何年ものあいだ、ポジティブ思考の本は私をずっと楽天的で、人の役に立ち、熱狂的でいるようにしてきましたが、結局、人間にはそれは無理なのだと悟らせてくれました。
人間は、いつでもポジティブでいられるようにはできていないのです。
もしあなたが、自分の中に両面を見つけることができたなら(例えば親切で意地悪、ポジティブでネガティブ、愉快で不愉快)、それは完璧に正常で、健全なのです。
あなたには両面が必要で、そのすべてを愛せばよいのです。ネガティブな面はあなたを謙虚にし、あなたを中心にもどしてくれます。
また、ポジティブな面は、あなたを夢の実現へと向かわせてくれます。
バランス思考は、人生に新しい可能性をもたらします。私たちは、自分以外の誰かになる必要はないのです。
あなたは、この真実を生きることができます。「極性の法則」を受け入れ、自分の両極を、また他人の両極を受け止めていきましょう。”(p208-210)
現実的な期待の法則
” あなたが注意深く見るならば、あなたがなりたい姿ややりたいことに、たくさんの幻想を見ていることに気がつくでしょう。
真実は、あなたには二面性があるということです。
ベーブ・ルースは、ホームラン王であると同時に三振王でもあるのです。
今回の「現実的な期待の法則」は、あなた自身が、このようにさまざまな特性を持っている、ということを認める能力なのです。
私が「楽観主義」だけで生きていこうと期待したときには、私自身の悲観的な部分を認めることができませんでした。私は、私自身を責めました。
悲観的な考えが、バランスをとって私を中心に導いてくれていることに気づいていなかったので、悲観的な自分を受け入れることができなかったのです。
なんらかの病気をもつ人というのは、他人や自分自身に対して、「非現実的な期待」をもっている人です。
彼らは、非現実的な夢を追いかけつづけますが、世界が彼らの幻想を叶えることは、決してありません。
「現実的な期待の法則」はまた、あなたが言葉にしたことを現実にする力をもたらします。
もちろん、いつでも実現するというわけではありませんが、あなたに達成できることであれば、高い期待をもつこともできるのです。
ふつうの人は見てから信じますが、人生の達人は、信じてからそれを目にするのです。
現実に結果を出したかったら、まずは自分自身が、それに許可を出す必要があるということです。
私の内にある認識が変われば、外の世界が変わるのです。なぜなら、私たちは毎瞬、自分の思考によって人生をつくっているからです。
私たちは、自分自身に許可を出す能力に目覚めたとき、夢を生きることができるのです。
実際のところを言えば、あなたが何をしたとしても、しなかったとしても、いつでも夢につづく道を歩いています。
あなたは宇宙に導かれていて、フィードバックを通して夢を生きることができるようになっているのです。
そしてまた、あなたが何をしたとしても、しなかったとしても、必ず誰かの役に立っているのです。
いつでも、あなたは夢を生きているということを知っていてください。そして、理性的でいてください。
「現実的な期待」を生きる許可を出しましょう。あなた自身の未来を堂々と歩けるように、あなたは人生を創造することになるでしょう。”(p212-216)
心の働き、その向こう側
今回は、人それぞれに両面があって、自分が望まない面が出てきても、それは誰しもに共通することで、それに気づき、受け容れること。
目標は自分の足元を見つめて、現実性が伴っていれば、言葉にすることで実現へ向かうということ。
そういった内容に要約できると思いますが、誰しも二面性は持っていて、
心の働きとして、自分をあるべき場所に戻し、バランスをもたらせてくれているとの教えは、自分自身を楽にしてくれるでしょう。
60ある法則のうち48まできました。あと2回くらいという感じですかね。次週に続けます。