今週はジュンク堂池袋本店で開催された『スノーデン日本への警告』と題されたトークセッションに参加。
今年に入って立て続けに、
エドワード・スノーデンに関する映画を見て、自分が分かっていない現実への興味が強まっていたこと、
(トークセッションに)登壇のジャーナリスト青木理さんに注目するところもあって参加を即決。
なお、トークショーの進行役を務めたのは人権擁護を唯一の目的とした人権NGOのJCLU 理事で専修大学教授の山田健太先生。
エドワード・スノーデン自身もインターネット中継で参加した2014年6月に東京大学本郷キャンパスで開催された『監視の「今」を考える』と題されたシンポジムの模様を紙上再現した
新書『スノーデン日本への警告』の刊行記念として開催されたトークセッション。
何と本に関してはEdward Snowden:エドワード・スノーデンが自身のTwitterアカウントでツイートしたとのこと
しかも(ご覧の通り↑)日本語!
監視社会と平和ボケが進む日本
トークセッションは、まず、国際的な評価で日本の報道の自由度が、
世界72位で、ハンガリーやポーランドといった報道の自由がない国と位置づけられているとの現状認識に、
国会では共謀罪に関する審議が始まり、エドワード・スノーデンはNHKの『クローズアップ現代+』に
日本にメール監視のシステムを提供した旨の証言を行い、本来ではあれば国民的な関心が巻き起こってもよいところ
そのようになっていないところに、日本人が平和ボケともいえる状況に陥っているところを警鐘を鳴らすところから。
青木理さんは通信社に勤務時代、公安警察に密着取材した過去から国家(権力)は暴走する性格を持っている点を目の当たりにしており、
2014年に施行された特定秘密保護法など、定義が曖昧(ex. 何が特定秘密なのか分からない)ながら
国民のプライバシーが侵害されうる環境が続々と整備されていっている状況を危惧。
国民の方も川崎市で実施された調査では、多少のプライバシーが侵害されても、監視カメラ設置を容認するとの意見が70〜80%の水準に達したことにも、問題の根の深さが指摘されていました。
個人と国家の然るべき距離感、?
1時間を超えるトークセッションで、過去からの経緯に具体例を踏まえた監視社会の現実が示され、これまでいかにこの分野に鈍感であったかを意識させられました。
私自身も公益性に叶う治安維持のためなら、プライバシーが多少犠牲にされてもとの感覚は理解出来ますが、
携帯電話にメール、その他SNS等々、誰に見られているか分からない現実を理解、自分の見えていない世界に対する不気味さに、ときに意識を及ばすところもあり、
自分自身の考えが整理されていないところに気づかされた機会に。
青木理さんによると、日本は憲法で検閲と盗聴を禁止している世界的に珍しい国だそうで、
振り子が非ざるべき方向に振れていると思わしき状況で、国民的議論がどのように推移していくのか、もろもろ憲法の精神が問われている状況にさまざま考えさせられました。