プロ野球評論家 江本孟紀さんと里崎智也さんが、プロ野球界についてざっくばらんに語り合った『ゆけゆけ!「無敵バッテリー」野球の超正論』をNPBキャンプイン初日から読み始めて
序章 ワースト記録更新の日本シリーズを叱る
第1章 プロ野球 VS 新型コロナウイルス
第2章 巨人独走を許したセ5球団の罪
第3章 誰がソフトバンクを止められるんだ?
第4章 トレードが野球を面白くするのだ
第5章 ドラフト・FA・ポスティングに物申す
第6章 スポーツマスコミから嫌われる勇気
と章立てされているうち第3章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
サイン本発売予告情報に触れ、
たまたま別件で書店に立ち寄った際に販売現場に遭遇し
タイミング良く、入手していた経緯。
一刀両断されるNPB旬のトピック
本書は、『プロ野球解説者「無敵バッテリー」がゆく 野球の正論』に次ぐ第二弾の模様で、
語られている内容は、
里崎智也さんの冒頭、 「史上最大の下剋上」から10年 〜 まえがきにかえて 〜 での
” 今のプロ野球を見ていると、どうしても生ぬるさを感じてしまう。たとえば、凡退してバットを折るような選手はどこへ行ってしまったんだろう。
インコースにエグいボールを投げられても、激昂したバッターがピッチャーを威嚇しようともしない。そもそも激昂するバッターがいない。”(p2)
という近年のプロ野球選手の気質に対する憂いに、
“(里崎)セの5球団は、巨人に勝つことが最大の幸福だった。ところが今は、「巨人に勝つ」ことのハードルが低くなってしまっている。
その結果、セ・リーグ全体の勢力が上がっていかないんだと思うんです。
これまでは強い巨人を倒すために、セの他の5チームのレベルも上がっていった。”(p26)
と、プロ野球界(NPB)の議論の中心となっているセ・リーグの低迷に対する分析に、或いは
” 江本 やはり高校時代に猛烈に練習していなかったからなんじゃないか。今の状態はプロでは通用しないということが露呈していると思われても仕方ないだろう。
見ていても清宮はとにかく、ひ弱だよ。村上と比較しても、村上のほうが体もガッシリしているし、頑丈そうにも思える。”(p122)
と、鳴り物入りで入団したものの、プロ入り後の活躍が芳しくない北海道日本ハムファイターズ 清宮幸太郎選手の現在地まで、
昨(2020)シーズンの戦績を踏まえ、お二人らしい本音トークが展開されています。
非情さが導いた次世代のスター
そのような中、2017年秋 読売ジャイアンツでの
” (里崎)村田と岡本を比較すると、キャリアの点で言えば圧倒的に村田のほうが上です。
一軍でこれと言った成績を残していなかった岡本を一軍で起用するためには、チームとしても大義名分が必要になる。
それが「村田を切ることで退路を断つ」という選択だったわけです。
それで、岡本はチームになくてはならない中心打者へと成長することができた。”(p95)
現在、セ・リーグでの図式を確立させることになった当時、非情と感じられた決断に、プロフェッショナルの厳しさを垣間見た思いで、
さまざまNPB各12球団が、どのような方針、運営に沿って、現在の姿がグラウンドで示されているのか、その背景に触れられる感じに読み応えを覚え、興味深くページを読み進められています。