前々回、中間記⬇︎をアップロードした
『ゆけゆけ!「無敵バッテリー」野球の超正論』を読了。
読み進めたのは、
第4章 トレードが野球を面白くするのだ
第5章 ドラフト・FA・ポスティングに物申す
第6章 スポーツマスコミから嫌われる勇気
の3章。
厳然たるパ・リーグとセ・リーグの力量差
本書全編を通じて感じたのは、(中間記の時点で既にそうでしたが)セ・リーグ<パ・リーグの厳然とした格差で、
” 里崎 たしかに、交流戦はラクだったことをよく覚えていますね。交流戦になると、「よし、ここで貯金ができる!」と考えていたパの選手は多かったと思いますよ。
江本 今の時代でも、その流れは変わらないんじゃないか。”(p154)
という体験談から派生していくリーグ格差に、選手の傾向も
“(里崎)パ・リーグの選手は一芸必殺な分、爆発力がある。セ・リーグは全体的にバランスは取れてるけど、爆発力に欠ける。”(p157)
大掴み出来、リーグを跨いだ(FA、トレードでの)移籍で、例えば千葉ロッテマリーンズに移籍した澤村拓一投手や
東京ヤクルトスワローズの若い主砲 村上宗隆選手の
” 里崎 僕はヤクルトだったから活躍できたんだと思いますよ。彼は高校時代、キャッチャーをやっていました。もし巨人に入っていたらキャッチャーのままだったかもしれません。そうなると一軍での試合出場は難しかったかもしれない。ヤクルトには「打てる」選手が必要だった。”(p193)
など、選手の力が発揮される要因に、リーグの特徴+球団の性格、事情が大きく影響されている指摘に納得させられ、
本書で推奨されていることですが、リーグが変わることで燻っている選手たちが活躍の場を得ることは多そうで、注目の視点となりました。
また、スポーツマスコミに苦言を呈した最終章の
” 里崎 僕は佐々木が高校時代に体が鍛え込まれていなかったから、プロの練習にもついていけていないんだと思っています。
実際には二軍の試合どころか、ブルペンでのピッチング練習さえしていないという声も聞こえてくる。/
彼(松坂大輔)は高校時代に、小倉清一郎部長に猛烈にしごかれたと聞いていますし、そうでないと甲子園で春夏連覇などできないでしょうから。”(p212/p233)
或いは
” 江本 一般の人たちみたいに、「健康のことを考えて、週末に草野球をやっている」というのとはワケが違うからね。
プロ野球とは、故障しない頑丈なピッチャーだけが、10年、15年と現役を続けられる世界なんだよ。そこのところは多くの人にもわかってほしいね。”(p216)
という投手の球数制限に端を発して舌鋒鋭くなっていったやり取りも、時代に逆行しながらも説得力伴う応酬でした。
忖度なしの本音&本質の応酬
本として形に残ることから一部名前が伏せられている箇所はあるものの、ネットで調べれば容易に分かる事であったり ^^;
全般、誰彼と遠慮することなく、胸の中の思いが吐露されている印象で、
” 江本 オレは100人いたら10人の人に理解されればいいと思って解説をやっている。間違っても全員から好かれようなどとは思わない。 “(p208)
に、
” 里崎 僕も誰かに好かれようと思って、あえて意見を忖度するようなことは一切しませんね。
自分で思ってること以外喋りませんよって、あらかじめ言ってますから、それを認めてもらってるメディアで好きに言わせてもらってますね。
それが世のなかと逆行した意見になってしまうこともあるでしょうけど、お構いなしです。”(p208)
という立場を貫くお二人によるエッジの効いた対談本です。おそらく出版されるであろう今シーズン後の続編にも期待 ^^