藤波辰爾選手が半世紀に及ぶレスラー人生で憧れ、実現したこと:『藤波辰爾自伝 プロレス50年、旅の途中で』読了

プロレスラー藤波辰爾選手のデビュー50周年を記念して上梓した『藤波辰爾自伝 プロレス50年、旅の途中で』を読了。

サイン本販売情報に

出典:紀伊国屋書店 新宿本店(画像はTweetにリンク)

内容への興味もあり、即反応して入手していた一冊。

 プロローグ・オブ・ドラゴン

 1章 少年時代

 2章 日本プロレス入門

 3章 デビュー戦

 4章 新日本プロレス旗揚げ

 5章 夢の海外、プロレスの礎

 6章 ドラゴンブーム

 7章 ジュニア時代

 8章 「名勝負数え唄」ー 好敵手・長州力

 9章 「UWF」との対峙

 10章 「飛竜革命」

 11章 欠場、そして闇の中に見た光

 12章 「ドラゴンボンバーズ」

 13章 葛藤、そして無我へ

 14章 苦難の社長時代

 15章 WWE殿堂入り

 エピローグ・オブ・ドラゴン

の章立てに沿って、

” 後からお袋に聞いた話だと、医師からは「ダメだろう」と通告されて「今晩がヤマです」とも言われたという。

実際、病院も治る見込みがないと思ったのか、手術をしないで管で酸素を送る応急措置しかしなかったことも、後年教えられた。”(p24)

とジフテリアを患い生死の間を彷徨った幼少期に、

” 格闘技経験がないままプロレスラーになった私は、それまで不安と恐怖の中で闘ってきたが、ゴッチさんの指導で理にかなった動き、関節技を覚えるとレスラーとしての自信も生まれた。試合で相手が何をやってきても対応できる懐刀を持った気がした。”(p124)

と恩師カール・ゴッチとの出逢いに、

” MSGはぶっつけ本番で、崩れてもおかしくはなかった。もし、失敗していれば、今の私はいないだろう。しかし、幸いにも成功した。まさに運命の分かれ目だった。”(p145)

と、ぶっつけ本番で繰り出したドラゴンスープレックスで、スターダムを駆け上がっていった軌跡に・・

そしてそれら全てを包み込んでしまう

” そして、50年間で最も影響を受けた人は、やはりアントニオ猪木さんだ。プロレスラーとしてあるべき魂、姿を私に叩き込んでくれた。

・・中略・・

心のどこかで常に消えないのは、猪木さんへの憧れを抱きながらレスラーになった時のことで、それが私の原点だ。”(p402)

と、随所に語られるアントニオ猪木愛。藤波辰爾選手の立場でも

” 日本人のWWE殿堂入りは、猪木さんに続く2人目の栄誉だった。2013年12月28日の誕生日に60歳の還暦を迎え、「引退」も現実に考え始めた時だっただけに、力を振り絞ってもう1度現役を続けようと決意させられた、とてつもない力を与えてくれる受賞だった。”(p394)

見事に師匠の教えに従っての偉業達成で、

購入本に書かれていたサイン

その他、ライバル長州力さんとの当事者だからこその回想録なども読み応えありました。

私個人は、金曜夜8時過ぎのジュニアヘビー級時代の藤波辰巳選手を見て、プロレスの魅力に次第に引き込まれていった者としては、読みべき一冊に出会えた思いを実感した自伝でした。


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