古舘伊知郎さんの新著『言葉は凝縮するほど、強くなる』刊行記念 講演&サイン会に参加。
会場は八重洲ブックセンターで、「古舘伊知郎さんが書店イベント?」と意外な感じを持ち
実際、瞬く間に満席となっていましたが
古舘伊知郎さんご自身も、レアな機会からか
「本を予約して、きちんと来てくれる方々は、きっとディープな方々だと、とても楽しみにしていました。」
という挨拶に始まり、
本に込めた思いは、イベント開催前に大々的に報じられた吉本興業の記者会見を引き合いに
本のテーマとなった凝縮された言葉の効用を説かれ、同会見での要領得ない言葉、姿勢に否定的な評価を下されていました。
お話しは滝のように溢れ出す言葉、お話しが切れ間なく続き、
アナウンサーに成り立ての頃、きちんと喋れていない状態に、先輩アナウンサーから厳しく指導され、
鞄持ちをしている間、ずっと描写の練習をさせ続けられていたり、プライベートでも朝起きてから夜家に帰るまで、ずっと実況をされていた駆け出しの頃のお話しに、生来の喋りのプロかと思いきや血の滲むような努力の日々にギャップを。
世の中、皆、道徳警察になりたがったているかの風潮に懸念を示され、適度に汚れているから免疫機能も発達するので、少しくらい汚れているくらいが丁度良い。
報道を賑わす闇営業問題も最初ウソをついてしまったのはまずかったが、過ちに気づけばしっかり謝ることが大事。特に芸人さんのような仕事は非常識さもないと面白くないと。
その他、
・常識を疑ってみることが大事
・残心(人は見ていなくても感じる、伝わる心遣いが大事)
・不完全なコミュニケーションが、相手との共感生む(淀み、曲が空くことで相手がフォローしたくなる。機械的に完璧に受け応えするなAIロボットはまったく生まれなかった)
話題は多岐に及び、書店イベントというより、もはやトークショーとして確立された流石の完成度でした ^^
夢が実現されるメカニズム
それらの中で最も印象に残ったのが、参加者からのアンコールに応える形でお話しされたミラーニューロンのお話し。
赤ん坊が、まだ自分で飲み物を飲めない頃でも、母親の動作を見ているうち、まず脳の中でその動きを行っていて、やがて自分で出来てしまうようになるとのサイエンスから
古舘伊知郎さんご自身、アナウンサーに憧れたのは徳光和夫さん、みのもんたさんといった立教大学の先輩がいて、
真似をするところから始まり、それを徹底的に繰り返していき、失敗してもそれを継続していくうち目指す先の展望が拓かれ、夢が実現される原動力になったと。
羽生結弦選手も、平昌オリンピック前に負った負傷後、ひたすらイメージトレーニング(一コマ〜全体)を頭の中で繰り返した。
ミラーニューロンを力説されたことに、古館伊知郎さんからそのようなお話しが出たことの意外性もあり、とても印象的でした。
古館伊知郎さんご自身、65歳になってもなお、また一旗上げてやろうとの意気込みでいることを述べられており、
きっと夢を持って生きておられることが、言葉の端々から伝わってきたこと、
そして何より喋ることがこの上なく好きであることが伝わってきて、イベントのビフォー・アフターで随分と元氣を引っ張り出された70分に及んだ講演でした〜